旅の思い出を、簡単な撮影日記で綴りました

    


07.4.7 山梨 中央本線 桃の花が咲き乱れる甲府盆地

 朝七時の新宿駅中央線ホーム。山登りでも行くだろうか、大きなリックを背負った年配の方が多い。電車が到着すると、お弁当が入ったビニール袋を片手に、どっと乗り込んできた。アナウンスによると、指定席はもう満席で、自由席では通路に立ち並んでいる人が多いという。これもNHKの大河ドラマの影響か。
 新宿のビル群を抜けると、しばらくは住宅地が広がっている。所々の見える雑木林が、ここが武蔵野の大地であることを思い起こさせる。そして高尾を過ぎると、それまでの景色は一変してローカル線の雰囲気になってくる。ふと車窓に目をやると、都会ではもう散りかけている桜の花が、ひっそりと咲いていた。街路樹のような力強さや優雅さこそないが、山々に咲く淡いピンク色の風情は、まるで日本画のそれを思い起こすほど美しい。しばし外の景色に見入ってしまった。
 新宿からおよそ一時間半で山梨市に到着。駅を降りると、街並みはきれいに整備され、景観が非常に良い。また土地柄だろうか、お屋敷のような立派な家々が多い。車を走らせ市街地を抜けると一気に視界が広がり、ピンク色の桃の花があちらこちらで見ごろを迎えている。この時期は農家の方にとっては大事な時期らしく、至る所で農作業の風景が見られた。今回メインの撮影地に選んだのは、東山梨駅周辺。辺りには一面桃畑が広がっている。そして遠くにはそれを取り囲むかのようにして、山々が美しい輪郭線を描いている。この美しい景観は、やはり盆地という甲府特有の地形がなせる技なのかもしれない。また畑のすぐ横には小川が流れ貴重な用水路となっているが、まるで信玄堤のように、川に沿って石積みが多く残っていて、ちょっとしたところに先人たちの知恵を垣間見ることが出来る。桃畑の農道や線路沿いの小道などから様々なカットを試してみた。広角、望遠そして流し撮り…列車が主体の編成写真とは異なり、様々な意図で広大な風景を切り取る鉄道写真はとても魅力的だ。このようなところに自分の家があったらなと思いつつ、カメラのファインダーをのぞいていた。

    きれいに整備された街並み 地形が生み出す美しい景観


06.11 福島 只見線 秘境のローカル線

温暖化の影響なのだろうか。紅葉が以前ほど綺麗にならなくなった気がする。
それでもこの季節、夏の青々しい姿とは一変して、木々にはこっくりとした、それでいてどこか
寂しさを伴うような景色が人々を誘う。
 なぜかこの季節、東北地方に足を向けたがる。侘しい農村風景や無人駅、鉄橋を渡り
眼下に広がる渓流、どれも旅情を誘うものだ。そんな秋色の東北を訪れてみたく、秘境のローカル線
である只見線に行くことにした。
 11月の初め。連休ということもあってか沿線の道路はそれなりに混んでいる。
天気は快晴。これも混雑の要因なのかもしれない。自身はよく本に載っているポイントを訪れる。
このような本は遠くから行くものにとっては非常にありがたい。しかしそれだけを撮って
帰るのでは、何か物足りないので本のポイントの周辺で自分で探す。そうすると面白いことに
意外なほど魅力的なポイントが見つかってくる。お立ち台の付近には素晴らしいところが数多い。
探すのも楽しみの一つである。最初に訪れたのはいかにも只見線ともいうべきお立ち台で、
ガイドの本にも載っているところだ。川のほとりに赤く色づいていた木を発見。
もちろん順光での撮影も綺麗であるが、半逆光でのシーンが一番好きである。
後から来た同じく撮影ファンの方たちは、「逆光だ、ダメだほか行こう」と話していたが、
何も順光ばかりを追いかけなくても良いのに…と感じた一時である。それぞれに良さがあるのだから。
 只見線に多くの撮影ファンが訪れる理由の一つに、撮影のし易さが挙げられるだろう。
列車の本数は極端に少ないのだが、線路と平行して国道が走っているのだ。
トンネルは多く、おまけに中は薄暗くて決して走りやすいとはいえないものの、
線路を確認しながら移動することは撮影には好条件に違いない。
会津越川付近の写真は国道沿いから見つけたオリジナルのポイントである。
午後の半逆光に魅せられ、カメラを構えた。この時期、日は刻々と東に傾いていくのだから、
撮影する方は大変である。
 自身のお気に入りの駅は会津中川である。近代化の流れで、
農村ですら現代風の建物に姿を変える中、この駅だけは今もなお昔ながらの風情が感じられる。
さらに周りの風景もいかにも会津の山村、農村にぴったりなのである。集落は小さいものの、
そこには人々の暮らしがあり営みがある。今度はここで撮影したい、
そう感じさせたのがここ中川である。
03.8 長野 飯山線 信濃路へ

今年は8月に入ってもぱっと晴れる日が少なく、気温も上がらない。
週間天気も曇り、曇り、曇りで晴れのマークがなかなか顔を出さない。せっかく立てた計画でしたが、
変更を余儀なくされ、何回か行ったことのある飯山線を訪れることにしました。

まず初めに訪れたのは横倉周辺。ホームの周り一面色とりどりの綺麗な花が咲き誇っています。
近くに住んでいるおばちゃんが手入れをされているらしく、ここは委託業務です。時間はちょうどお昼、
強い日差しがホームを照り返します。ホームで花ばかり撮ってもしかたがないので、少し歩いてみる
ことにしました。そして森宮野原よりの少し小高い丘の上で何とか撮れそうなので、農家のかたの邪魔に
ならないようカメラをセット。すでに気温は38度。列車を待っているだけでも汗がでてきます。

その後訪れたのは桑名川。周りは赤や青色のいかにも北信濃らしい佇まいの民家が多いです。
数は少ないですか萱葺き屋根の家もありました。この集落をいれて俯瞰撮影。近くにはふるさと物産
センターというドライブインがあり、中では食事もできます。

そして冬に訪れたことのある上境付近にある、千曲川を入れて撮れるポイントに移動しました。
飯山線の列車は白っぽいので冬の写真はあまり目立ちませんでしたが、夏は水田の緑に列車が
映えて良いかもしれません。やはり千曲川はいつ見ても雄大さがあります。
                                     横倉駅
03.4.9 千葉 小湊鉄道 のどかなローカル線

春の撮影小旅行は、地元千葉の小湊鉄道第二弾です。去年は暖かかったこともあり、
3月下旬に沿線は春一色となりましたが、今年は4月に入ってもまだつぼみでした。

まずは飯給で下車。桜がほぼ満開です。なんとなく他の駅に比べると花の数が少なく、
寂しい気もしますが、枝ぶりはどの桜よりも一番でした。見上げる感じで撮りたかったので、カメラを
上に向けてみました。今回の撮影にはPLフィルターを使用。初めて使ったので仕上がるまで心配でした。
その後はスナップ撮影。近くの田圃では、農家の方がトラクターを出して忙しそうでした。

列車に乗って今度は上総中野へ。菜の花でお馴染みのいすみ鉄道に向かいます。
まずは総元で途中下車。降りてびっくり!、駅の周り一面菜の花で埋め尽くされています。ここで、数枚
撮影しました。続いて訪れたのは道の駅=uたけゆらの里」という、ドライブインです。
ここで、ちょうどおなかも空いてきたころなので、ラーメンをいただきます。たけのこが入っていて、
とても美味しかったです。(^O^)

その後ハイキングがてら、隣の東総元まで歩きます。
この辺りは線路が大きくカーブしていて、その土手には菜の花が植えられています。そこに登って撮影。
そのまま撮ってもよかったのですが、そうすると単純な写真になってしまうので、少しブラしてみました。
そのほか、アングルを変えながら何枚か試しました。この駅の回りも色とりどりで、
探せばいろんな所に好ポイントがあるかもしれません。

菜の花、桜、新芽と彩り豊かになるこの季節、私は一番好きです。

                       飯給駅


03.1 長野 飯山線  冬景色

今年初の撮影は、お気に入りの飯山線です。この線は夏には行ったことはありますが、
この季節行くのは初めてです。

新幹線を利用すると、およそ1時間半で長野。乗り換えのためホームへ降りていくと、わずか
2両のディーゼル列車がとまっています。これが野沢温泉、十日町、そして越後川口へと長野から
新潟へ横断して走る、飯山線です。

車窓を眺めていてまず目に入るのが大きな川、千曲川。新潟に入るとその名を信濃川に変え、
ゆったりと流れ、移り変わる四季折々の風景は車窓を楽しませてくれます。今回はその千曲川を
入れてみたいので有名な俯瞰が出来るポイントに来てみました。この場所は国道沿いで、
冬の間は除雪された雪があり足場が悪いですが、広い道路なので行ったりきたりしていろいろなアングル
を試すことが出来ます。手前に川、奥には杉林、周りは一面の銀世界、まるで水墨画のような景色です。

やがて遠くから踏切のなる音が聞こえ、雪で今にも埋もれてしまいそうなわずかな間に列車が顔を
出してのんびりとやってきました。かなり速度は遅いので、露出を変えながら何枚か
撮ることが出来ました。

その後、名前に惹かれて信濃白鳥へ。ここは集落になっていて、昔ながらの萱葺き屋根の家など数多く
残っています。駅でスナップ写真など数枚撮りました。辺りはひとっこ一人もいなくて、
さびしい感じもしますが、そういったところに飯山線の良さ≠ェあるのかもしれません。


                         信濃白鳥駅



02.8 新潟... 羽越本線 日本海、笹川流れへ

どこに行っても暑い夏。去年なんかは汗だくだくで、撮影し続けたものの、途中でふらっと、
倒れそうになりました。(^^”)みなさんは、ものすごく寒いのと、
ものすごく暑いのではどちらがいやですか?

さて、今年も連日かなりの猛暑。海の撮鉄は、行ったことがないので、今年は、よくパンフレット
でみかける新潟の笹川流れに、行こうと計画しました。
しかし今年の8月上旬はあまり晴れる日が少なく、行く直前まで天気予報と、にらめっこ。(^^#

上野から新幹線で約2時間、あっという間に新潟です。ここで乗り換えます。村上までは、
新潟平野を走り続けるので、平坦です。が、村上を過ぎると景色は一転。日本海の
荒波の浸食で、奇岩怪石が続く海岸が続きます。空とのコントラストが綺麗でした。

間島の撮影ポイント近くで、海とカーブする列車を狙える所を見つけたので、まずはそこで一枚。
ガイドに載っている撮影地の周辺には、結構良いポイントがあります。
途中、越後寒川の近くを歩いていると小さな漁港を見つけました。おばさんたちが一輪車いっぱいに
アマダイ≠竝。が旬の岩がき≠、のせて通りがかるのを見かけました。
ちょっと路地裏には入れば、新しい発見があるものです。そしてここで何本か列車を撮影。
生活感あふれる場所でした。
その後は、寒川駅周辺や勝木のほうまで足を延ばして、3時ごろまで海や山を入れて撮影しました。

村上から府屋ぐらいまで、ずっと海岸線が途切れもなく、続くので、
車窓を眺めながらの列車の旅もいいかもしれません。みなさんも行ってみては、いかがですか。

                 ▽笹川流れ
     
   ▲新潟色のキハ58系              



02.3.25 千葉... 小湊鉄道  春爛漫


今年はかなり桜の開花が早く、近くの公園でもまだ3月18日だというのに、咲き始めてしまいました。

いろいろと計画は立てますが、なかなかうまくまとまらず、まずは地元の小湊鉄道に行くことにしました。
この路線は昨年の夏に、一度だけ行ったことがあります。まず上総大久保で下車。
桜は7分咲きといったところでしょうか。撮影は駅のすぐ近くからです。

次に訪れたのは月崎。同じファンの方が10人くらいいました。駅前の土手には菜の花がたくさん、
とても綺麗でした。(^^)いろいろアングルを探しますが、結局は駅斜め前の、最初探したところでカメラを
構えます。・・・しかし電車が来るまで1時間近くあります。ファインダーをのぞきながら、ゆっくり構図を
考えますがそれでもまだ時間はたっぷりとあります。(・・・・と言いつつもこの待っているときが
一番ワクワクして楽しいですが)

さて最後に来たのは里見。さすがに一日で三駅とは忙しいです。
大久保、月崎と撮影はみな駅の周りだったので、今度は少し歩いてみることにしました。線路沿いを
歩いて桜と列車を撮影できそうなところを探しますが、いくら行っても見つかりません。
仕方がないので春の花のもう一つ、菜の花を入れて撮影。やはり小湊鉄道は駅の桜が一番かな。



02.2.23 秋田...  田沢湖線 角館へ

白鳥に魅せられて、はるばる秋田へ行ってきました。
撮影ポイントは有名な鶯野付近です。その場所に着くまで白鳥が来ているか、心配でした。
ここは雪が降っているときの撮影ポイントだと思っていましたが、晴れている日も
また一風違った感じで良いですよ。(^Q^)
〜〜〜
お昼頃で雲がかなり出てきたので、ここで引き上げることにしました。次は角館付近で、数枚
撮影します。この駅は武家屋敷風の感じで、構内もきれいになっていて、気に入っていまいました。

                 田沢湖線 角館駅



01.8.17 栃木... 烏山線 涼しさを求めて

烏山線には何度も乗っているが、夏来たのは初めてだ。(^^)

宝積寺を出ると平坦な田園風景が窓いっぱいに広がった。そして約30分くらい走り、
すこし山深くなると、滝に到着する....。まずは駅の後ろの小山をバックに、ローカル線らしいカットを狙う。
次に竜門の滝へ向かう。なによりうれしいのは、駅から5分たらずで行けると
いうことだ。ここで撮影していると、すぐに時間が過ぎてしまった...。

最後に、駅での列車の交換風景を撮るため、大金に行くことにした。駅がすっきりと見渡せる所で
カメラをセットした。そしてだんだんと辺りが暗くなっていく様子が、とてもいい。撮影していると、
前の家のおばさんが「写真とっているの?ここは人家が少なく、とてもきれいに星が見えるんですよ」
と話しかけられた....。(^^)
                            
                            ▲竜門の滝



01.8.14 千葉... 小湊鉄道

真夏の田園風景を撮りに房総まで足を伸ばすことにした。この日も暑い。五井から小湊鉄道に
乗り換えるが、車内はあまりクーラーがきいていない。(+o+)

ゆられること約30分、最初のポイントの上総川間に着いた。この駅は田んぼの中にぽつんと、
あり青色の待合室が印象的である。これがとても周りの風景とよく似合う。
続いては上総鶴舞駅。駅のたたずまいがとてもいい。ここでは駅をスナップ感覚で数枚とったりした。
そして帰りの列車まで時間があるので駅周辺をぶらっと歩いてみた。(^o^)


帰りの列車を駅で待っていると、何か卵の腐ったような匂いがしてきた。その後、
市役所から「今現在発生している、この匂いは三宅島の火山活動によるものです・・・・・」と
アナウンスが入った。ここまで匂うことに、僕はびっくりした。

                                   
                                   
△上総川間付近


01.7.22 長野... 飯山線へ

この暑い時期、飯山線の平滝へといってきました。ここはよくテレビで放送されやすい所です。
この日も2組の方が取材にこられていました。雑誌の取材だそうです。私と同じ電車できていました。
駅舎などを撮っていました。ここは委託の人がいて、列車の到着する少し前に来ているみたいです。

暑く歩けないので私は駅周辺で撮影することにしました。とにかく夏は暑い。立って構えている
だけでも・・・。ちょっと歩いては缶ジュース、また歩いては缶ジュースのくり返しでした。笑)そんな中、
山間らしいそして無人駅らしい写真を撮ろうと場所を探していました。そしてようやく見つけたところで
カメラをセット。やがて遠くからガタンゴトンと列車の近づく音が聞こえてきました。
駅に止まっても降りる人もいなければ乗る人もいなく、ここはとても静かな駅です。
また季節をずらして行ってみたいところです。