Aphrodite's Childの3枚

End Of The World France Mercury 138 350 1968

 このギリシャ(出身)のグループは、666で初めて聴いた。大昔、日本でも「雨と涙」がヒットし、ラジオ族にはちょっとした知名度はあったようだ。その後、ヴァンゲリスの活躍で初めてクローズアップされたのが日本での状況だと思う。欧米ではヴァンゲリスと同じくらい、ヴォーカルのデミソ・ルソスの人気が高い。哀愁のカウンター・テナーのような、大変印象的なヴォーカルは一度聴いたら耳に残る。このファーストアルバムはギリシャ原盤かと思いきや、フランスで録音されたようで、どうもフランス盤がオリジナルのようだ。

 紙ジャケのCDはイギリス盤から取られているようだが、ジャケットだけ見てもフランス盤の方がオリジナルっぽい感じがする。 内容も素晴らしいが、なんといっても、ドサイケなジャケットデザインがコレクター心をくすぐる。Folmura 3の1stと並ぶEUROサイケジャケットの傑作だ。
 


  

138 350 label

 私はこのアルバムとセカンドアルバムは掘らなかった。 というのは、このアルバムを買おうとしたとき、いきなりオリジナル盤らしきものを探して買ったからだ。

 いろんな欧州盤を見て、ジャケットのデザインから、これはフランス盤がオリジナルに違いないと確信した。ひょっとすると間違ってるかもしれないが。

 音を聴く限り、これでいいような気がするし、このフランス盤からはオリジナル盤のオーラが出てる気がする(笑)

 ジャケット表は各国盤も同じようなデザインだが、裏に違いがある。英盤はメンバーのプロフィールが載っていて、英用に作り変えたように感じられる。

 曲はプログレというよりは、ポップチューンだが、ヴァンゲリスの曲、アレンジが素晴らしい。民族楽器がそこらに使われていて、これがなんとも面白い。ルソスのヴォーカルも独特でバンドのカラーの中心になっている。見逃せないのがドラムの良さだ。センスもよく、リズムもしっかりしている。やはりドラムがいいとバンドの品位も上がる。
2008.5.30 追記
 フリップバックのジャケットがあるらしい。だとすると、そちらの方が若い可能性が高い。とほほ・・
バルバラのフランス盤のフリップバックはフリップの部分にも写真が印刷されていた。これもそうなのだろうか? 買って確かめてみるしかないな。

End Of The World France Mercury 138 350 1968 flip back cover


flip back cover(no Papathanassiou credit)          non flip back cover (E.Papathanassiou credit) 

2008/6/23追記
 結局これも掘るはめになってしまった。なかなか一発で上がれないもんですね。写真は先日入手したフリップバックのジャケット。表の右上に裏の右上と同じ表記がある。フリップバックにはプライスコードらしき丸Tの記号がない。また、よく見ると裏のフリップバックの下側にMaquette verso:E Papathanassiou とクレジットがない。この一文は袋ジャケットにはある。これは後で足された可能性が高いと思う。となると、やはりフリップバックの方が若いのかもしれない。幸い、盤はマトリクスを含め、全く同じだった。音は違うといえば違うし、同じといえば同じ 程度の差だった。



 It's Five O'clock France Mercury 138 351 1969


138 351 label
 


 これもフランス盤がオリジナルだろうと思う。やはりフランスでの録音だし、ジャケットにはフラップが付いている。英盤のジャケットはフラップがないし、自信はないが、音的にもこれでオリジナルと思えば何の不満もない(笑) 紙ジャケットで出たのは英盤のジャケットをスキャンしてあるのでフラップが付いていない。


Let Me Love Let Me Love/Marie Jolie spain issue


 666 Vertigo 6333 500 1972

 最初に聴いたのは1976年ドイツ盤(vertigo space shipレーベル)だった。いきなり凄い音でびっくりした。
 英米の録音、演奏とは全く違う、初めて触れるヨーロッパのプログレだった。しかも2枚組み。どこの誰がこんな壮大なコンセプトアルバム作ったんだろうと、それからヴァンゲリスの存在を知った。音楽的な内容はともかく、音が素晴らしい。ダイナミック感がすごい。冒頭Systemでは群集の声がどんどん上がっていき、おいおい、どこまで行くんだ と思ってると、コンプレッサーがたっぷりかかったアコースティックギター、ドラム、ベースが続く。ここまでですでにノックアウト。4面まで行くとさすがに辛いが、最後の名曲 break を聴きたくて、結局最後まで針を通してしまう。(BeatlesのWhite Albumのようだ) ギリシャ出身のグループだが、録音地のせいか、どうしてもフランスのフレーバーを感じる。



6333 500 label(SIDE B)


Break/The System 6032 900 promo label 
 


 最初に友人から借りたドイツ盤のあと、数年後に日本盤が出たので迷わずに買った。しかし、見開きの絵が白黒・・・これってやはり手抜き ですよね。

 その後いつかはオリジナルを買ってやろうと思っていたが,どの盤がオリジナルなのかわからない。なんせ前の2枚と違い,同じPhillips系列なのだが、かのVertigoからリリースされているのだ。数枚買ってみたがそれでもオリジナルがよくわからない。

1.録音はフランス
2.英初版にはドイツ製ジャケットが使われている
 ( 英Swirl レーベルの一部とspace shipレーベルはVOナンバーの英ジャケがある)

 このことから、オリジナルは英か、仏もしくは独のどれかと思われる。
いくらなんでもUSはないだろう(笑) (あるいは全く的外れ?)

 状況からすると、やはりフランス盤が本命だが、Vertigoのフランス盤というのも説得力に欠ける。他にVertigoのフランスオリジナルというのは聞いたことがない。そうなるとやはり英盤か?しかし、独ジャケットの疑問が残る。これはもう買って聴いてみるしかない。

 聴いてみたら答えはすぐに出た。やはり英盤を凌ぐ音は仏、独盤からは出てこない。
鮮度の高さで圧倒的に英盤に優位性がある。これでいいんだ。(けど疲れた・・・)

 おまけでBreakのAプロモを入手した。これがまた素晴らしく澄んだ音で、やはりシングルは素晴らしい と思わせるいい買い物だった。LPは最内周ということもあって、この曲はシングルの方に分があるようだ。


 Ypsilon Metro Music Man RJ-7283 1977

 シデラスがアフロ解散後に参加したギリシャのグループだ。写真は日本盤。こんなものが出てたとは。オリジナルは当然ギリシャ盤だと思うが、見たこともない。内容は大変素晴らしい。プログレではなく歌も英語で、米でヒットしたらよかったのに という、とても高品位のポップミュージックだ。音質がまた素晴らしい。CDでは絶対出ないような、アナログならではの音の良さを楽しめる。


Digging the Records

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最終更新日: 2008年 6月23日 20時00分