TMPCWAからの緊急抗議要請 (訳文)


TMPCWAの支援者そして友人の皆さん
TMPCWAの支援を続けてくださっている方々へ、TMPCWAより温かく戦闘的なご挨拶をさせて頂きます。

私たちTMPCWAの闘争に関して、この間6ヶ月以上も最新情報をお送りできなかったことをお詫びします。新たに予定された承認選挙に対し、我々は国際的組織からの広範な支援を頂きながら集中的キャンペーンを行いました。その圧力により、フィリピントヨタ経営陣はTMPCWAとの交渉の席につかざるを得なくなり、昨年の8月以降、日本において数回にわたり交渉の会合が開かれてきました。

会社側は、この交渉の実施を他に漏らさないよう、特にTMPCWAの海外の支援者に漏らさないよう要請をしてきました。我々は、TMPCWAは誠実であり、会社側との交渉にいつでも応じる用意があることを示すために、その要請に同意せざるを得ませんでした。

2005年12月12日に行われた交渉時、我々は会社側に対し233人の不当に解雇された従業員の復職問題を解決するよう要求し、次回の交渉時に具体的な返答を出してくることを強く求めました。

そして2005年12月17日、労働雇用省長官が承認選挙を実施する決定を下したのです。労働雇用省は続いて、強行的に2006年2月1日に審理を実施し、その際に2月16日の承認選挙実施を最終決定しました。その上で、すなわち承認選挙日を設定した後で、会社側はTMPCWAとの会合を持ってきました。

いくつかの国際的組織も同席して2月3日に行われたその会合の際、会社側から2件の提案が示されました。1つめは追加の支払いを伴う補償金と研修プログラムを提供するというもの、もう一つは、自動車機械工としての研修の提供と、解雇者に対し会社が 自己のディーラーや営業所、または海外で働けるよう新しい職を準備する、というものでした。

更に2月4日の会社側との交渉の際には、TMPCの前社長、田畑延明氏が前回話し合われた復職についての話しはせず、代わりに「パッケージ補償」の話を持ち出しました。その内容は、解雇されたTMPCWAの組合員が自動車機械工になれるよう6ヶ月の研修を受けられるとするが、まずその研修を受けるための試験に合格しなければならない、としています。研修費用は会社側が負担するとしています。

しかし、これらの提案の効力を発揮させるためには、不当に解雇されたTMPCWAの組合員が、まず自分達の解雇は正当であることを認め受け入れるという合意書にサインをしなければならないというのです。田畑元社長は、これがTMPCWAが受け入れられる最後の交渉のチャンスだとし、会社側はこの提案を決して取り下げないことを強く主張しました。

その提案は、ILOによる勧告からははるかに遠い内容です。我々の組合員はその提案に非常に不満で失望をかくせないでおり、全員が一致団結して闘争を続ける覚悟を決めています。そして会社側がその立場を押し通す限り、我々は交渉を続けないことで結束しています。我々が要求しているのは復職なのです。国の法律のいかなる規定も犯してはいないのです。我々は、会社側はTMPCWAと誠意を持って交渉を行っておらず、ただTMPCWAを愚弄しているだけであることを見抜いています。我々は、会社側は、我々の組織とその行動を鎮めるためにこの交渉を利用したのだと感じています。

会社側は我々との交渉を続ける一方で、自分達が後押しし組織した組合、TMPCLOを通してTMPCWAを崩壊させるという絶望的な大計画を実行に移してきました。彼らは労働雇用省と共謀し、承認選挙の即時実施を追求しているのです。

2月6日、TMPCWAは労働雇用省首都圏地方局庁舎前においてピケ抗議行動を行いました。調停仲裁官シモネッテ・カラボカルと審理官ロウルデス・チン双方による不当な覚書に抗議するためです。その労働雇用省の役人2人は、トヨタ経営陣の影響により、2月1日に開かれた選挙前会議において承認選挙の日程、規則、仕組み、そして正式投票者名簿に及ぶまで全てを早急に最終決定したのです。

承認選挙は2月16日と設定されました。我々は高裁に訴訟(一時差止命令申請を伴う再考慮申し立て)を提起しその決定を待っているのであるから選挙前会議開催日を延期すべきであるとの申立てを彼等の事務所に提出したにも関わらずにです。労働雇用省の調停仲裁官と審理官は、結託して233人の不当に解雇された組合員をチャレンジ票(投票無資格者票)と決める一方で、レベル5から8の従業員(最高裁判決によると管理職レベル)に一般従業員として投票することを許可しました。

我々の2月6日の実力的な抗議行動の間、労働雇用省の首都圏部長リカルド・マルティネスは、組合の執行委員が彼の事務所に入り話し合いをする許可を与えてくれました。その話し合いにおいて、我々はこの不当で強行的な調停仲裁官の決定の押し付けを訂正するよう求め、新たに選挙前会議を招集するよう要求しました。彼は必要な措置を講ずると言いました。この日の抗議行動によって、トヨタ工場での投票者名簿の送達には遅れが生じました。

2月8日朝、我々は調停仲裁官カラボカルの決定の変更がされたかどうかを確認しようと部長に会うために再び労働雇用省首都圏部の事務所に行きました。しかしその間誰一人として我々を助けようとしておらず、事務所スタッフによると、職員らは誰もこのきわめて物議をかもしそうなトヨタの案件にかかわりたくないと言っていることが判明しました。結局調停仲裁官カラボカルからの新しい文書(覚書)を彼女のスタッフを通して我々が手にしたのは午後になってからでした。彼女は自身の最初の決定を変えていました。彼女は、解雇された組合員らが適法に投票することを許可し、レベル5−8の投票者をチャレンジ票(投票無資格者票)と指定しました。これらの変更を我々は自分達の実力的な行動の成果であると捉えました。

しかしその次の日、調停仲裁官カラボカルは、突然自身の命令を改変し、TMPCWAの解雇者は投票を許可される、但しその票は区別され、最高裁で係争中となっている訴訟が終了してから票として数えられる、と命令してきたのです。これは明らかに労働雇用省の不条理な措置です。トヨタがなんらかの関与をしていると我々には分っています。

トヨタ工場内では、会社の役員らがTMPCLOを率い、監督職組合長アンヘル・ディマランタ、経営陣の代理人フランシスコ・メロ、および数名のマネジャーや部長などが我々の組合員を侮辱し、心理戦争を挑み、TMPCWAの組合員でない者たちをTMPCLOに投票するよう強制しています。彼らはトヨタが持つ全ての時間と資源をTMPCLOのためのキャンペーンに費やしているのです。しかし工場内にいる、我々の組合のリーダーと組合員達は団結し、TMPCWAのみがトヨタの一般従業員のなかで唯一、全ての従業員の利益のために闘う本当の組合であるとの立場を堅持しています。

我々は現在、トヨタ、TMPCLO、TMPCSU(監督職組合)、そしてそれらの手先に対する大規模抗議行動の真っ只中におり、全ての現場労働者と事務所従業員一人一人に密着して、この人達をオルグし、影響を与え、TMPCWAへ投票するよう働きかけています。

2月10日、我々は労働雇用省首都圏部事務所前において再び抗議のピケを張り、承認選挙実施の中止を要求しました。法律に従えば、TMPCWAは存在し承認されているのです。しかし労働雇用省の地方局長、調停仲裁官らの担当官、そして審理官のロウルデス・チンは、我々から身を隠し、職員もまたこの問題の起こりそうなトヨタの案件には首を突っ込みたくないといって、敢えて火中の栗を拾おうとする者はいないのです。

我々はTMPCWAを支援してくださっている国内、国外の個人の方々、団体の方々全てに呼びかけます。我々のトヨタに対する不屈の闘争をぜひ支援してください。

労働雇用省、フィリピントヨタ、そして日本のトヨタ自動車に対し、抗議の手紙を送ってください。そして彼らがTMPCWAに対し行っている、卑劣な行動の数々を暴き、非難し、抗議してください。

また我々は、支持声明とともに、一般従業員に対する2月16日の承認選挙においてTMPCWAへ投票するようとの呼びかけを送っていただけるよう皆さんに求めたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

労働者階級万歳!
ED G. CUBELO
President - TMPCWA
February 13, 2006