団体交渉権承認選挙結果と近況報告  (2006年2月17日)

 TMPCWAは、トヨタの汚いやり方に対する闘いを続けていかなければならないため、去る2006年2月16日の承認投票に参加しました。

 投票結果は下記の通りです。

【開票分】
  TMPCLO(御用組合)  424票
  TMPCWA         237票
  組合NO!           8票     (3択の1つ「組合不選択」のことです。)
  無効             15票
【未開票分】
  チャレンジ投票者(監督職票・レベル5−7)    121票
    (サンタロサ工場 102票、G.T.タワー19票)
  チャレンジ投票者(違法解雇者)            89票
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計            894票

 そもそもの最初から、トヨタ経営陣・労働雇用省・TMPCLOの間の通謀勢力からの甚大な欺瞞があり、今もなお続けられています。

 チャレンジ投票者とは、法律に従うならば有資格投票者ではないけれども、当事者が認めれば投票することが出来るが、分離されなければならず、又、全ての当事者が合意するならば開票出来る、あるいは有資格投票者に属すると判定されたならば開票出来るとされるものです。

 我々の場合では、チャレンジ投票者はレベル5、6、及び7の従業員であり、この等級は監督職の職種であって、一般労働者ではありません。トヨタと同種の事件について、レベル1から4までのみがトヨタにおける一般労働者としての有資格投票者であるとの最高裁によって下された判例があります。それゆえ、レベル5から7は全てチャレンジ投票者となるのです。

 しかしながら労働雇用省は、被解雇組合員をチャレンジ投票者と扱い、投票は最高裁の最終判決が出てからしか開票できないとしたのです。これは我々にとって極めて痛手です。何故ならばフィリピン労働法によれば、裁判所に裁判事件が係属している被解雇労働者は投票することが出来、有資格投票者としてその票を算入することが出来るようになっているからです。

 被解雇組合員のうち何人かは、海外で働いていたり、あるいは遠く離れた田舎に居るために投票することが出来ませんでした。

 投票の直前の2日間、我々はバスに乗り込み遊説キャンペーンを展開しました。我々はトヨタ労働者のピストン輸送バスになんとか乗り込んだのです。しかし、2日目のことでしたが、被解雇組合員が首尾よくキャンペーンを展開し、通謀を暴露しているのを経営陣が知ると、経営陣は労働者輸送バス1台ごとに2名の警備員を張り付け、我々の組合員が車内キャンペーンを行うのを妨げました。

 去る2006年2月15日のことですが、TMPCWAは、TMPCWAに対する仕組まれた承認投票を暴露するため、“南タガログ地区”の他の現地支援組織と共に、トヨタのサンタロサ工場前で、徹夜の抗議座り込みを展開しました。午後8時頃、会社構内にいる軍の兵隊たちが、会社の前に居座ることは会社が許さないからという理由で、我々を蹴散らそうとしました。我々はピケを引き上げ撤収するほかありませんでした。我々は座り込みを続けることは出来ましたが、もしも我々が逆らった場合、組合員や支援者に何か悪いことが起こるのではないか、また我々の投票が犠牲にされるのではないかと心配したからです。われわれはトヨタ前でのピケを午前3時30分に引き上げ、全ての労働者の出勤時に再びキャンペーンを開始しました。

 投票が行われる前に、会社の人事部の筆頭副社長のホセ・アリガダ氏が我々の所にやって来て、違法に解雇されているTMPCWAの組合員を全員同時に入構させることは出来ない。駐車場に隔離して設けた被解雇労働者用の投票ブースに1回に5人ずつ入らせるよう規制せざるを得ないと言って来ました。

 アリガダ氏は、会社はTMPCWAの委員長が主投票所に投票監視者或いは観察者として入ることは認めないと言って来ました。しかし、内部のTMPCWAの投票監視者たちが委員長の投票用紙記入を認めるべきだと言い続けたため、彼らは投票を続行することが出来なくなりました。労働雇用省はTMPCWAの委員長の入場を認めるよう会社に要請せざるを得なくなりました。

 委員長の投票用紙記入後、労働雇用省の “偏見者”主任官のロウルデス・チン氏は、強制的に委員長を追い立て、引っ張って、投票所から出させて、承認投票の監視も観察もさせませんでした。

 委員長が被解雇者用の隔離投票所で投票用紙の記入を済ませると、アリガダ副社長も委員長に対して同様なことを行いました。アリガダ氏は投票所に直接介入して、労働雇用省の職員らに、投票中に“ああせよ!こうせよ!”と命令をしたのです。アリガダ氏は全ての投票者名簿に記載されていないがその場に来ていた被解雇組合員は、そのことをTMPCWAとTMPCLOの投票監視者が確認するだけで、投票することは認めてはならないと言い張って、直接介入を行ったのです。この場では、会社は承認投票の傍観者であるに過ぎないのに、雇用労働省がアリガダ副社長のこのような振る舞いをすることに承諾を与えたのです。

 アリガダ氏は“もしも退去しないなら、会社の警備員を使って追い出すぞ!”と言ってTMPCWAの委員長を脅しました。委員長は、組合の執行委員長としてそこに踏み止まる権利は持っているので、退去を強く拒否しました。すると、アリガダ氏は門の警備長に向かって、被解雇労働者は一度に4人しか入れてはならないと命令しました。

 TMPCWAの委員長が投票所に粘り強く踏み止まったために、アリガダ氏は、“もしもその場に居続けるならば、被解雇労働者はこれ以上投票が出来なくなるぞ!”と脅迫して、委員長の退去を強制しました。委員長は、組合員たちの投票を犠牲にすることは出来ないと考えて、退去せざるを得ませんでした。会社の警備員らが委員長をトヨタの工場外に連れ出しました。

 一体全体どこの世界に、承認投票において投票用紙にその名称が記載されている、争っている組合であるにもかかわらず、その執行委員の誰一人として、投票の進行を観察出来ないなどと言うところがあるというのでしょうか?

 一体全体どこの世界に、承認投票において、執行委員長がチャレン投票者に扱われるなどと言うところがあるというのでしょうか?

 投票終了後についてですが、我々は投票進行中に我々の投票監視者が記録した9ページにもおよぶ違反と嫌がらせを添付して、“投票が成立しなかった!”旨を投票実施記録簿に記録して、我々の意見及び抗議を残して来ました。

 この承認投票には勝者がいません。何故ならばTMPCLOは有効投票総数の単純過半数に達しなかったからです。TMPCWAは依然としてフィリピントヨタにおける唯一の交渉団体であるであり、闘い続けなければなりません!

エド・クベロ
TMPCWA委員長


承認選挙闘争の写真 (2/14〜2/17)
  最初の6枚は労働雇用省前での抗議行動、 後の8枚はサンタロサ工場前での抗議行動