2011年2月24日

「フィリピントヨタにおける労働争議の解決に関する申入れ書」

トヨタ自動車株式会社 豊田 章男 社長殿

                          フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)委員長 エド・クベロ
                          フィリピントヨタ労組を支援する会共同代表    山際 正道

 貴殿は昨年来の私たちからの度重なる申入れ要請書に対して全く無回答の態度を取り続けて来ました。しかも貴殿はこのことについて今日まで私たちに対して何の意思表示もして来られませんでした。このような貴殿の態度はあまりにも不誠実ではないでしょうか。

 また、フィリピントヨタ社の経営陣も問題解決のために積極的な姿勢を示さず、現在フィリピン労働雇用省は、貴社と我が組合の不法に解雇された組合員間の長期間に亘る労働争議に関して解決の可能性を見い出すべく、ILO高位使節団の勧告の実現のために懸命に指導性を発揮しています。しかし、これについてもまた貴殿及び貴社は依然として現地の問題は現地で解決するよう現地に任せてあると言って何もして来ませんでした。

 その反対に、貴殿及びフィリピントヨタ社が行ったことは昨年八月に我が組合の四名の組合員と中心的なリーダーへの新たな違法な(会社によって周到に仕組まれたデッチ上げ事件)解雇でした。更には、今なお会社内で働いている我が組合員たちに対して貴殿たちは攻撃をし続けています。

 本年に入り、われわれ組合の代表がフィリピン労働雇用省(DOLE)の責任者との面談を持ちました。その中で、DOLEの責任者は「解雇者の職場復帰問題について、トヨタ経営陣は依然としてこの問題を取組みたくないと言っている」と、われわれに告げました。トヨタにとっては、面子を失うことになるから職場復帰に関する如何なる話合いにもトヨタは強く反対するという態度を取り続けていると、DOLEの責任者はわれわれに語ってくれました。しかし、DOLEはこれからも時間を割いてトヨタへの説得に努めているということで、引き続きわれわれを助力するとのことです。

 われわれは、貴殿とフィリピントヨタ社がILO高位使節団の勧告の実施に応えて、フィリピン労働雇用省の指導性に従って解決のための行動を即刻とることを貴殿に重ねて強く要求します。

 貴殿は、今こそ、自らの問題としてこれまでのやり方を真剣に反省して、問題の解決にギアを入れ替えるべきです。北米トヨタでのリコール問題では貴殿ご自身が率先して解決に向けて努力されたように、フィリピンでも貴殿が先頭に立ってその解決姿勢を内外に向かって明確に発信すべきです。

                                                            以上