トヨタの233名の解雇・団体交渉拒否 と闘う
エド・クベロ委員長に政治的暗殺の危機!
        トヨタ日本本社とアロヨ政権に抗議を!

                                              2008年9月12日

                                   フィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)
                                   フィリピントヨタ労組を支援する会

「NOユニオン!NOストライキ!」政策を進めるアロヨ政権
 フィリピン現地ではトヨタなどの多国籍企業とアロヨ政権が一体化して「NOユニオン!NOストライキ!」政策が強力に進められている。またフィリピン司法も、昨年10月フィリピン最高裁がフィリピントヨタ解雇問題で「ストライキは時代遅れだ!」と公然と憲法の精神を批判するまでになっている。そして、最高裁はフィリピントヨタ労組のストについてすべて違法だと判定し、233名の解雇は有効との結論を下した。

組合つぶしに軍隊を導入
 アロヨ政権は成立直後にトヨタに「トヨタに有利に争議を解決しないと資本を引き上げる」と脅されて以来多国籍企業に屈従した政策を取ってきた。また、アロヨ政権は選挙の不正、汚職問題に示されるように腐敗を強め、政治的な危機を深めてきた。その中でアロヨ政権は、マルコス政権以来反共路線で民主的な活動を行うジャーナリスト、議員、牧師や政党や組合の活動家を政治的に暗殺してきた軍隊と一体化をはかり、軍隊を組合つぶしにも使い始めている。

工場と組合事務所の数軒先に軍隊を配備
 トヨタとアロヨ政権は昨年以来秘密裏にマニラ南のラグナ湖の西側サンタロサ市のフィリピントヨタ工場の中に軍隊を駐留させた。そして今年1月にこの工場近くのフィリピントヨタ労組事務所の同じ通り数軒先にこの軍隊のもうひとつの駐留所を作り、会社と工場の中を行き来し、組合事務所を訪れて威喝し、近辺を聞きまわって監視していた。このような状況の中で、フィリピントヨタ労組のメンバーや家族が警戒を深める中、8月の23日二人組みがマニラのエド委員長の自宅近辺をうろついた。一人はナンバープレートのないバイクで待機し、一人は朝から夕方にかけて三度にわたってエド委員長宅の周りを合計数時間うろついた。彼は最後に自分が監視されていることに気づいた後急いでバイクのある場所に戻り、バイクと共に立ち去った。

 この二人組みの行動がエド委員長の暗殺を直接狙うものであったのか、それともエド委員長の活動パターンを探るためのものであったかは定かではない。だが、軍がエド委員長を政治的暗殺のターゲットにしたことはほぼ確実である。この二人組みの動きは過去の組合活動家などに対する政治的暗殺の行動パターンと完全に同じである。最悪の場合、もしエド委員長が自宅から外出するとか外出先から自宅に帰っていたならば本当に殺されていたかもしれない。

政治的暗殺の片棒を担ぐトヨタ
 ILO報告は「フィリピン政府はフィリピントヨタ労組執行委員の安全を守る義務がある」と述べている。しかし、このエド委員長への殺害に向けた行動の最高責任者は言うまでもなくアロヨ大統領である。そして、トヨタ張会長はわれわれの公開質問状にもかかわらず、フィリピントヨタ工場内、組合事務所の数軒先の軍隊の駐留についてアロヨ政権に抗議していない。張会長は8月23日のフィリピントヨタ20周年記念レセプションにわざわざ日本から出かけ、アロヨ大統領と同席している。トヨタは完全に軍隊を使った組合つぶし、政治的暗殺の片棒を担いでいる。

労働者の命と生活の軽視が政治的暗殺の加担に
 日本では、トヨタグループ企業は長時間・超過密のサービス残業を強要して過労死や精神障害を生み出している。そして、トヨタは下請けに対して過酷なコストダウンで労災や年休・社会保険ナシなどの様々な違法行為、貧困、奴隷労働を押し付けている。このようなトヨタの日本での労働者抑圧とフィリピン労働者の貧困、環境の破壊、劣悪な労働条件、そして組合つぶし、エド委員長の生命の危機は同根である。私達はトヨタ日本本社とアロヨ政権に抗議しなければならない。

エド委員長を殺すな!
トヨタとアロヨは工場と組合事務所隣から軍隊を撤退させろ!
233名の解雇を撤回し、団体交渉に応じろ!


       「トヨタ本社・アロヨ政府へのメール抗議はここから!」