アロヨ政権、フィリピントヨタ労組に軍事的圧力!
アロヨ政権・トヨタ・日本政府に世界的な圧力を!

                                                 2008年2月12日
                                   フィリピントヨタ労組を支援する会

トヨタ・アロヨ政権、組合潰しの7年間!

 トヨタはフィリピン最高裁判決、ILO勧告、国際金属労連などの国際的な批判に逆らって団体交渉拒否し、233名解雇に固守している。トヨタはこの7年間あらゆる手段を使ってフィリピントヨタ労組(TMPCWA)を攻撃し、御用組合を育成してきた。

 アロヨ政権はフィリピン法やILO勧告を無視してトヨタのTMPCWA攻撃を擁護した。TMPCWAのストライキを中止させ、団体交渉権を剥奪するのを助け、解雇を合法化した。しかし、TMPCWAはこのトヨタとアロヨ政権の攻撃を撥ねのけてきた。このTMPCWAの抵抗に対しアロヨ政権は驚くべき攻撃に打って出た。

アロヨ政権の「自由防衛作戦」と吹き荒れる「政治的暗殺」! 

 アロヨ政権は今年1月中旬、なんと!軍隊を投入してきた。フィリピン軍第202歩兵旅団の分遣隊がTMPCWA組合事務所の同じ町内、同じ道路沿いにおかれた。そして軍人が組合事務所を訪れ、また近所で聞き込みを行い、組合の活動、組合事務所の居住者の氏名、勤務先、行き先などを尋ねるなどの恫喝を開始した。

 アロヨ政権はアメリカの援助を受けてミンダナオや農村部で「反テロ戦争」を行ってきた。その作戦計画はオプラン・バンタイ・ラヤ(自由防衛作戦計画)といわれている。この作戦はモロ解放民族戦線や新人民軍だけに向けられ、限られた軍事作戦地域だけで行われているわけではない。

 2001年アロヨ政権成立以後フリピン全国でジャーナリスト、牧師、議員を含めた人権活動家や農民、労働者など750人以上が政治的に暗殺され、150人以上が行方不明になっている。アムネスティ、国連などはこれらの暗殺をフィリピン軍の「自由防衛作戦」の一環であるとみなしている。そして今回分遣隊が配備された第202歩兵旅団はホビト・パルパラン将軍を司令長官とする軍隊組織の1つであり、このパルパランはグロリア・アロヨ政権下の政治的暗殺や活動家の行方不明の黒幕と名指されている人物である。

 この被害者の中にはTMPCWAが地域で共闘を組んでいるネスレ労働組合委員長も含まれているように、「自由防衛作戦」によって労働組合の指導者も殺害されてきた。ただこれまで軍隊が首都近郊の都市サンタロサに分遣隊を送り込んでくることはなかった。しかし今度サンタロサ市の二箇所に分遣隊が送り込まれ、一箇所は明らかにTMPCWAを狙ったものである。

トヨタが「反テロ戦争」の担い手に!?

 また、「自由防衛作戦」は軍隊単独の作戦ではなく、軍と警察が中核となり地方自治体、その他の諸機関などと連携するものとして計画されている。農業や鉱業の多国籍企業が発展途上国で軍隊と連携し反テロ戦争の一環を担っているという話はよく聞くが、フィリピントヨタもまた「自由防衛作戦」の一翼を担っている。

 すなわち、昨年からフィリピントヨタの工場内にラグナ工業団地警察支援グループ本部が置かれた。フィリピントヨタの工場正面右脇には旧来から警察の派出所がおかれていた。このこと自体がフィリピンでも特例であるが、工場内に警察の「支援グループ」なるものがおかれるのは私たちが知る限り初めてのことである。そして上に述べた第202歩兵旅団の分遣隊の軍人たちは常時トヨタの工場にたむろしている。トヨタは軍、警察と一体化している。

合法的労働運動の圧殺を狙う

 首都マニラの南フィリピントヨタのある南タガログ地域は労働運動の強い地域である。とりわけサンタロサ市にはラグナ工業団地など日系の電気機器や自動車関連会社が集積しており、その中心となっている。ここでTMPCWAはネスレ労組や日産労組などと地域で共闘を組んで闘っている。明らかにアロヨ政権は軍隊と警察を使ってフィリピントヨタ労組を押しつぶし、南タガログの労働運動を圧殺しようとしている。

 放置するなら、軍や警察は必ずフィリピントヨタ労組をテロの手先だとレッテルを貼ってくるに違いない。その後に政治的暗殺が襲うのが普通である。フィリピントヨタ労組とフィリピンの合法的な労働運動を政治的暗殺や軍事的な圧力の脅威から守らねばならない。フィリピン現地でも反撃が始まっている。私たちも、アロヨ政権・トヨタ・日本政府へ圧力をかける国際キャンペーンを今準備している。ぜひとも、絶大な協力をお願いしたい!この攻撃は必ず撥ねのけねばならない!

 血迷ったアロヨ政権に圧力を!
 軍事的抑圧にまでアロヨ政権を追い立てたトヨタに圧力を!
 トヨタとアロヨ政権の組合つぶしを放置してきた日本政府に圧力を!