講師の紹介

私の思い

クラスの目標:「踊れるおばあちゃん、おじいちゃんになる」

スペイン語が母国語でない日本人の私たちにとって、フラメンコのリズムを体の中に回すことは最初とても難しいことに思えます。スペイン語を話す人にとってはごく自然な音のとり方が、私たちにとっては思いもよらないものだからです。頭の中が日本語で考えている限り、スペイン人の踊るフラメンコに近づくのは難しいと思います。かくいう私も、実はあまりスペイン語が話せません。人付き合いが苦手で、家で料理やお裁縫をしている方が人前に出るよりよっぽど楽しいです。仕事のため、スペイン語は死ぬまで習い続けるつもりでいますが、踊りに関しては、なんでこんなこと始めちゃったんだろう。。。と途方に暮れることが良くあります。でも、これしかできる仕事がなさそうなので、目の前の自分のできる仕事を坦々とやるしかないと思っております。ああ、脱線しちゃいましたね。。。

鯨岡 裕美

写真 山下由紀子
ヘアメイク 木下史江

鯨岡 裕美

フラメンコを踊る際の体の中心はおなかです。

私たちが地面に立つということは、地面から貰った力を自分の中心に向かって引き上げ、逆に接地している足や脱力した手先からは根が生えたように地球の真ん中に向かい刺すという2方向↑↓の力が必要になります。それなのに踊るときは片足だけで体を支えなければならない。そう考えると、踊る事ってものすごく大変ですよね。更にその力を感じながらおなかを通してパルマを叩く、おなかからリズムを回す、おなかの力で足を落として打つ練習が必要になります。パルマを叩くのは手ですが、手から出る音はあくまでおなかで感じていることの結果として手から出ているにすぎません。振り付けは、おなかから発生したコンパスが体中を回った結果として現れたものにすぎません。体のどこも固めず、コンパスの中で呼吸をし、回した結果としてこの音が出た、この振り付けになった、という経験を増やしていくことで少しずつ体の中に音楽を回すことがつかめ、楽しくなります。

鯨岡 裕美
鯨岡 裕美
鯨岡 裕美

踊り続けることで楽しく生きられて…

レベルに関係なく、全てのクラスでこの練習をします。音楽が回せれば、同じ空間にいる他の踊り手さん、パルマを叩く人、歌う人、伴奏する人たちと同じ空気をみんなで共有して回すことができます。目に見えない空気のうねりが波動となって空間に放出され、見ている人たちも巻き込んで心地よい素敵な時間がその場にいる全員で共有できます。私は生徒さん達に、最終的にはそのような空間を自ら作りだせる踊り手さんになっていただきたいのです。踊り続けることで楽しく生きられて、将来気が付いたら健康な踊れるおばあちゃん、おじいちゃんになっていたらこんなに嬉しいことはありません。講師はものすごく引っ込み思案なのですが同時にものすごく強欲なので、自分が80歳になっても元気で痛いところがないおばあさんになりたいのです。そこで、生徒の皆さんにも同じように体のどこも痛くない踊り手さんになってほしいのです。結果、どのレベルのクラスでも、誰にも頼らず自力でコンパスを回すことが課題となります。

鯨岡 裕美

鯨岡 裕美

鯨岡 裕美 (くじらおか ひろみ)

大学在学中に来日していたアントニオ・ガデス舞踏団「カルメン」を観て衝撃を受ける。橋本ルシア氏、田中美穂氏、渡邊薫氏、森田志保氏に師事。

2003年マルワコンクール決勝進出、日本フラメンコ協会第12回新人公演にて奨励賞受賞。

近年は日本にて数多くのアルティスタのクルシージョを受けながら、知れば知るほど遠のくフラメンコの奥深さに魅せられて死ぬまで勉強中(の予定)。

1女の母。