「PERFECT BLUE」は、そのタイトルとは裏腹に、要所要所に赤を効果的なアクセントとして使っている。
まず、未麻の部屋の中。未麻の室内はそれ自体が重要な伏線であり、冒頭でじっくりと映されるが、ほとんどどこを見ても赤い色が眼に入るようになっている。
冷蔵庫と食器類。
壁に掛けたドライフラワー(ニンジン?)。
パンチラ・・・ではなく、小物の数々。
浴室には洗濯物が。
台所と室内を仕切る暖簾と、パソコンの奥のタペストリー(鏡の中)。鏡も重要な小道具だ。
未麻の親友であるネオンテトラにも、赤い斑点。
未麻にとっては過去であるCHAMのポスター。中央の未麻だけが赤いリボンを付けている。
初のドラマ出演の台本。赤い付箋紙(まあピンクだけど)とアンダーライン。
レイプシーンの台本。カット頭にいきなりこの画面になり、ショッキング。
このとおり、ほかの話数では台本の色が違う。
脚本家・渋谷の殺害シーン。天井を這い回るパイプはまるで・・・。
エレベータの床面。
ヌード撮影をためらう未麻。バスルームの壁が真っ赤。この後、鏡の中にもう1人の未麻が。
カメラマン・村野の殺害シーン。ピザの箱とそのバッグ。
そしてもちろん、真犯人は赤い衣装を身にまとう。
ラストシーンでルミが抱くバラ。
この赤の氾濫が何を意味するか、言うまでもあるまい。
色彩設計は橋本賢。
こういう方でした。
→ http://www.madhouse.co.jp/column/mhpf/mhpf_no029.html
どこまでが監督の意向かは何とも言えないが、これぞ映像作家の仕事。