攻殻機動隊 Stand Alone Complex

本作は、笑い男事件がシリーズを貫くメインストリームとなっているが、それ以外にも優れたエピソードは多い。18話「暗殺の二重奏」は地味ながら丁寧な描写が光る傑作。
来日した中国外務次官に対して暗殺予告がなされる。その警備の合間を縫って、荒巻は親友だった辻崎の七回忌に出席する。雨のそぼ降る墓前で、荒巻は旧知の陸幕情報部長・久保田と語り合う。このシーン、荒巻は傘を差していないが、久保田は一人傘を差したままである。



久保田が立ち去った後、荒巻は辻崎の娘・サオリに呼び止められる。このとき、サオリは傘を差してやって来るが、荒巻にあわせて傘をたたむ。この傘が、荒巻と両者との関係をさりげなく表現している。



サオリが荒巻に相談した内容は、サオリの弟・優の様子がおかしい、原因を調べてもらえないか、というものだった。
話しながらふと、荒巻はサオリの手元に目をやり、荒巻の目線でサオリの手元がアップになる。


指輪がないことに注意が必要である。即ち、相談できる家族もなく、考えあぐねた末に荒巻に相談しているわけである。そして、それを察しつつ、個人的な理由で職権を行使できない、と言う荒巻の高潔な職業倫理が、このシーンのポイント。

ところで本作のテーマ曲は、ハーモニーの美しい名曲なのだが、サウンドトラックには未収録。残念。

おまけ


慰霊碑に献花のため歩き出した生徒たちの陰に、少佐のお姿が!



すみません、以下は工事中です

145 攻殻機動隊 Standalone Complex 2nd GIG
安保世代の鬱屈 タチコマの扱い