飯田線の旅195.7
kmの終着駅が辰野です。とはいっても現在ではほとんどの列車が中央本線の岡谷や上諏訪方面へと直通するため、終着駅という印象は薄れ、事実上の途中駅となってしまいました。それでも辰野が飯田線の終点とされているのは、歴史的経緯によるものです。
現在でこそ辰野駅は中央本線のメインルートからは外れてしまい、特急「あずさ」など優等列車も走らなくなってしまいましたが、1906(明治39)年に辰野駅が開業されて以来1983(昭和58)年に至るまで、諏訪方面から塩尻方面へと向かうすべての列車はこの辰野を経由していました。
現在の飯田線が長野県最初の民営鉄道「伊那電車軌道」として建設された際には、この伊那谷への入口として至近な辰野が起点として選ばれました。以来辰野は中央本線から伊那谷への乗換地点として、伊那電気鉄道を経て国鉄飯田線になってからもその役割に変わりはありませんでした。
しかし1983(昭和58)年7月4日、岡谷〜塩尻間を長大トンネルで短絡するいわゆる「塩嶺ルート」の開業により、距離・勾配・線路容量のいずれの条件でも新ルートに太刀打ちの出来ない辰野廻りルートからは急速に長距離列車が姿を消し、ローカル輸送主体となりました。とりわけ岡谷〜辰野間は中央本線でありながら運行系統的には事実上飯田線の延長となり、飯田線からのほとんどの列車が岡谷以遠まで乗り入れるようになりました。
1987(昭和62)年4月1日に国鉄が分割民営化され、豊橋〜辰野間の飯田線がJR東海に、辰野旧線を含む中央本線がJR東日本へと移管された後でもこの乗入れは継続されており、両者の境界駅となるこの辰野で乗務員交代がされています。
辰野では本線ルートから外れる見返りとして、1983(昭和58)年6月15日に鉄筋2階建ての駅ビルが新築されましたが、当時の駅ビルのテナントは撤退してしまいました。駅舎正面には当初JNRのマークが入れられていましたが、1987(昭和62)年4月の国鉄民営化により撤去されています。
辰野町はホタルの名所として有名で、毎年6月にはホタル祭りで賑わいます。定期特急撤退後も一時期はホタル祭りの時期にだけ、新宿より臨時直通特急列車も運行されていたこともありました。
【駅写真撮影:2003/06/22】