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模擬授業221.「スピードアップ教材研究方法」


堀部克之(TOSS中高横浜)

2016年5月7日(土) 第4回TOSS全国1000会場教え方セミナー 中高横浜主催 数学教え方セミナー
第3講座 19:20〜20:00 普段の授業はこう作る!教材研究から実際の授業まで紹介!
皆はどうやっているのだろう?教材研究の方法を明かします!A中堅教師はこうして効率よく行う!スピードアップ教材研究方法


1.模擬授業
『数学B』(数研出版)p.6

説明1 高校2年、数学B、ベクトルの最初授業。

指示1 どのように授業しますか。お隣同士相談します。

説明2 私は次のように授業しました。

発問1 天気予報です。わかったこと・気づいたこと、思ったことをノートに書きます。

「できるだけ多く、箇条書きにして書きます。」
「何か書いた人?」挙手で確認。
「風が矢印になっている」

説明3 「お隣にノートを見せます。」などで、できるだけ多くの意見を出させます。生徒から、風に「向き」と「大きさ」があることを気づかせたいです。


説明4 実際の風の動きです。

動画 風の動き windyty

発問2 風のように、向きと大きさがあるものは何ですか。

「ひとつ書けたら見せにきます」できるだけ多く出させる。
「海」「磁石」「電流」

説明3 実際の授業の映像です。

動画

説明4 生徒からは、水、電車、重力などが出ました。


説明5 このような授業は、単元にひとつ作れるかどうかです。
このような授業を準備できるように、普段の授業を効率よく準備しています。


2.教材研究法
(1) 教科書
教材研究として、まず教科書を読みます。黙読するだけでなく、音読します。音読してつまる部分は、引っかかる部分です。音読することで、自分があいまいな部分がわかります。

(2)ノート
向山先生は、次のように書かれています。
『新学期、授業準備のためのノートをつくることなど、当たり前のことだろう。
まず、「コピー」から始める。「これはいい」と思う雑誌の記事、インターネットの情報をコピーするのである。そして、その中から、本当にやりたいものをノートに貼りつける。私の体験では、コピーしたものをすべて貼り付けることはなかった。ざっと、五分の一くらいに減った。自分が書き入れるのは、それからである。』

ノートの左ページには、生徒のノートと同じように書きます。
ノートの右ページには、指示・発問を書いています。
50分の授業は、ノートの見開き4ページとなります。

私は、まずノートに書き、その後で先行実践を調べました。

(3)先行実践
先行実践は、本、TOSSランド、自分の過去の授業記録です。
最初に、本やインターネットで調べると、それに甘えてしまいました。

まず、教科書を読む、次にノートに板書計画、指示・発問を書き込む。
その後に、先行実践を調べ、よりよい方法を取り入れました。

授業準備を午前の空き時間にやっています。
午後の空き時間は学級経営の時間にしていました。

5分しか授業準備ができないときは、教科書の基本型の板書計画だけを書きます。
10分のときは、主発問までノートに書きます。
したがって、授業準備のノートは、いつでも見開き4ページがしっかりと書いてあるというわけではありません。
板書計画であるノートの左側しか書けないときもあります。
まずは、ノートの左側を書き、時間があるときにノートの右側の指示・発問を書き加えていきます。
25分あれば、見開き4ページが書きあがります。
さらに時間があれば、50分の授業の順序と組み合わせを考えます。

3.スピードアップ教材研究

0分 過去の授業記録 PDF  昨年度までの授業の質を保証
5分 教科書 例示問題 板書計画 練習問題も同様にできる
10分 教科書 例示問題 指示・発問 練習問題も同様にできる
15分 50分の授業の順序と組み合わせ

授業記録によって、教材研究の時間が年々短くなります。 


アンケート

最初から最後まで変化があり、テンポが良かったです。
授業風景を見られるのが参加者の方にとってありがたいと思います。
「向山先生」が誰か知らない人もいるかもしれません。
時間に合わせたステップが分かりやすい。
教材研究の方法など実際のものを見せていただき、良かったです。ありがとうございました。


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