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模擬授業248.「ド・モアブルの定理 2」


堀部克之(中高横浜)

2020年6月7日(日) 向数プレセミナー 第一講座 公開模擬授業


数研出版『数学V』p.19

スライド資料

発問 2x+3x=

「5x」

2y+y=
「3y」

θ+θ=

「2θ」

発問 2 × 3x=

「6x」
4 × y/3=
「4y/3」
6 × π/6=
「π」


指示 あとについて言います。

「シータ」 シータ 「シータ」 シータ
「サイン」 サイン 「サイン」 サイン
「コサイン」 コサイン 「コサイン」 コサイン

「シータ」 シータ 
「アイ」 アイ  
「サイン」 サイン  
「コサイン」 コサイン

「みんなだけで」
シータ アイ サイン コサイン

説明 教科書19ページ。 3 ド・モアブルの定理。
16ページで学んだことから次のことがわかります。
「z=cosθ+i sinθを掛けると
絶対値は変わらずに偏角がθだけ増える。」

指示 この2行をそれぞれで読みます。

「z=cosθ+i sinθを掛けると
絶対値は変わらずに偏角がθだけ増える。」

発問 z=cosθ+i sinθを掛けると、偏角がどうなるのですか

「θだけ増える」

説明 このことを用いてzの累乗を考えます。

発問 (cosθ+i sinθ)^2=cos2θ+i sin2θ
偏角は何θになりましたか。

「2θ」

説明 (cosθ+i sinθ)^2は、cosθ+i sinθに、もう1度 cosθ+i sinθを掛けたものです。

発問 cosθ+i sinθを掛けると、偏角はどうなるのですか。

「θだけ増える」

発問 θ+θ、=何ですか。

「2θ」
「したがって、偏角が2θとなります」

発問 つぎに3乗を考えます。 (cosθ+i sinθ)^3=cos3θ+i sin3θ
偏角は何θですか。

「3θ」

発問 (cosθ+i sinθ)^3は
(cosθ+i sinθ)^2にcosθ+i sinθをどうしたものですか。

「掛けた」

発問 cosθ+i sinθを掛けると、偏角はどうなるのですか。

「θだけ増える」

発問 3乗のとき、偏角は3θです。3θの根拠となる式を書きます。式は何ですか。

「2θ+θ」

「したがって、偏角が3θとなります。」


発問
(cosθ+i sinθ)^2=cos2θ+i sin2θ
(cosθ+i sinθ)^3=cos3θ+i sin3θ
これらのことから、どのような式が成り立ちますか。

発問 
(cosθ+i sinθ)^n=cos□+i sin□
n乗のとき、偏角はなんですか。

「nθ」

説明 (cosθ+i sinθ)^n=cos nθ+i sin nθ
教科書にも2ヶ所に書いてあります。

発問 この式のことを何の定理というのですか

「ド・モアブルの定理」

発問 例6(1) (cos π/3+i sin π/3)^4=cos 4π/3+i sin 4π/3n
偏角は何になりましたか。

「4π/3」

指示 なぜ、4π/3となるのですか。根拠となる式を書きます。

発問 □×π/3=4π/3 四角は何ですか。

「4です」

4×π/3=4π/3

例6(2) (cos π/6+i sin π/6)^(-6)=cos (-π)+i sin (-π)
偏角は何になりましたか。

「-π」

指示 なぜ、-πとなるのですか。根拠となる式を書きます。

発問 □×π/6=-π 四角は何ですか。

「−6です」
(−6)×π/6=-π


井上好文先生

1.これはいいね。
2.笑顔もいい
3.声もいい
4.画面もきれい
5.ぜひYoutubeでやってほしい。
6.ド・モアブルの定理をもってきたセンスがいい。
7.数学の中でもきれいな定理
8.タイトルのあと、すぐに「ド・モアブルの定理って、何」と聞く。
9.そして、すぐに例6にはいる。
10.数Vをとる生徒なので、細かい復習はあまりないらない。
11.もっと早く本質に入る。
12.知的な授業 例6 「中1でもわかるように式変形しなさい」
13.知的な授業 「教科書に間違いがあります。間違いはいくつありますか?」


参加者の感想

1.複素平面の美しい定理です。井上先生がおっしゃったとおり、
「まず、ここを授業で持ってこようと思うことが素晴らしい」です。
画面と先生の表情が重なるテク。いいですね。常に笑顔が伝わってきて、楽しく授業を受けました。
「数Vを選んでいるような生徒たちだから、細かいことの復習は不要。もっと早くに本質に入る」
というコメント。
形式的にならず、目の前の生徒に合わせる。できる子にはさらに負荷をかけることが知的な授業につながることを学びました。

2.堀部先生の表情が明るく、温かく、先生のお顔を見ているだけで安心しました。
表情の大切さを生徒の視点から改めて感じることができました。

3.高校の数学、難しい内容であるのに、変化のある繰り返しだったり、正解が薄く出されていたりする工夫で、
徐々にわかっていく感じがして、とても参考になりました。
笑顔が最高でした。


分析

1.教科書の内容は、いきなり授業に入るのは難しいと考えた。
2.先生問題として計算、フラッシュカード(シータ、サイン、コサイン)を導入とした。
3.数学が苦手な生徒でも、導入で「できる、できる、できる」を感じさせたかった。
4.フラッシュカードで「シータ、サイン、コサイン」を言っているので、教科書の音読も抵抗を少なくした。
5.OBSで教師の顔と教材を同時に示しながら授業した。
6.つねに笑顔であることを意識した。
7.千葉雄二先生が講座で言っていたことを追試して、、笑顔は、歯が見えるようにした。
8.谷和樹先生のオンライン授業のように、生徒が見る教材と自分の目線が同じになるようにした。
9.OBSでフラッシュカードのために、画面のタイムラグが一番少ないと考えられる「スライドショー」にした。
10.OBSで教師の顔と教材をどちらに前にするか。フラッシュカードのときは教材が前、教科書のときは教師の顔を前にした。
11.ZOOMのギャラリーを見ながら、発問で指名することができた。(今まではその余裕がなく、指名する人を事前に決めていた)



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