変人or恋人

作者:kyousuke



 私の名は橘 諒介でこの春高校に進学した何処にでもいる普通
の少年だ。普通の家庭と多少違うのが夫婦の夜の営みが未だにあ
り何度か口を挟むが意に介せずしている、その時改めて自分の精
神力に感謝したいがこの両親は時としてトンでもない事を言い出
す……。

「諒介、実は知り合いの女の子を預かる事にした……」

春の麗にて父親がいきなり宣告した。

「楠 明日香ちゃん……この春十二歳になるわ」

犬や猫を預かる様な発言だが俺は平然としていたがそれすら打ち
破る驚愕する事実を言う。

「「それで二人とも離婚するから(ハートマーク×∞)」」

流石に諒介も喉に桜餅を詰まらせてお茶を流し込む。

「実は楠さん夫婦はお父さんお母さんの高校時代からの腐れ縁と
言う事は知っているな」

「それがどうした……まっ、まさか…」

「そう!久しぶりにあってあの頃と同じく4P、いやスワッピン
グしたらムラっと来てね……」

父親のノー天気な発言に諒介も流石にキレた。当たり前であ
る……。

「無論、同居するからな……」

その瞬間父親に向けて湯飲みが飛んでくるが大学時代に空手で鳴
らした彼にとっては湯飲みを取る。

「ほう………今日の日にちは?」

「4月1日……親父!!!」

既に父親は息子の背後に回り十八番のコブラツイストを決めてい
た。

「まあスワッピングによる離婚は大嘘だが彼女は預かる事は本当
だからな……」

父親の宣告と共にゴキっと言う音がリビングに響いた。




 数日後、ランドセルに旅行鞄2つを持った少女が尋ねてきた。

「あの……橘 正介(父親の名前)さんの家ですよね?」

「そうだけど……まさか…」

「はい、楠 明日香です……」

諒介は天を仰いだ。両親は出かけて留守……しかも携帯には着信
拒否している。

「とりあえず上がって……俺の名前は諒介でこの家の長男だ」

これが同棲になるとは思いもしなかった。

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