−序− 初めての体罰


作:イネの十四郎



scene 1

・・・もう、どのくらい経ったのかしら?

キョウコは俯いて、じっと考え込んでいた。
狭い個室の中・・・いや、個室というより牢獄そのものだった。3方は冷たい鉄板の壁、窓一つ無い。床と天井も、剥き出しの鉄板。残る1方が鉄格子の扉だった。床には粗末なベット、その奥に木の蓋で覆っただけの便器。それだけで床の大部分を占めている。天井には監視カメラが一つ、瞬きもせずジッとキョウコを見つめていた・・・。

キョウコ、16歳。
昨年、某テレビ局主催のタレントオーディションに応募して、数千人の参加者の中から見事に合格した。
この歳の少女としては豊満なボディと、やや大人びた陰のあるルックスが人気を呼び、アイドルとして売り出し中である・・・あった。

あの日、キョウコは事務所の命令で、ある豪華客船で行われる政財界のパーティに、コンパニオンとして参加した。

そう嫌がるなよ。コンパニオンと言っても、別に酌をするワケじゃない、会場の花と言ったところさ。まぁ司会者に求められたら、一曲くらいは歌うんだな・・

マネージャの話では、そんな仕事だった。そんな仕事のはずだった。
実際、パーティが終わるまではその通りだった。

パーティが終わり、客も引き上げてしまうと船のスタッフが寄ってきて、出口まで案内してくれた。その途中、スタッフに「あっ、ちょっと・・」と言葉をかけられ、「えっ、なに?」と振り返った瞬間、鳩尾に拳骨が叩き込まれ・・・気が付いた時にはこの部屋にいた。

最初は大声で叫んだ。激しい、抗議の言葉を連ねてみた・・が、なんの反応もなかった。一人だけ、ただ一人だけにされていた。鉄格子の外も廊下の壁だった。やがて、黙ってしまった。

暫くすると、不安に襲われた。自分がどうされるのか、どんな目に遭わされるのかよりも、このまま誰もいないところで放っておかれる方が、余計に心配になった。その不安が膨らんで、耐えきれそうになかった。発狂しそうだった。そしてついに、大声を上げようとしたその時・・・

廊下の向こうで、ガチャリ・・・と鉄の扉が開く音がした。
カツカツカツ・・・規則正しい足音が近づいてくる。そして鉄格子の前に姿を現したのは、まるでレスラーのような体格の女だった。どこから見ても「看守」のような制服を着ていた。

「ギャーギャーと騒ぐんじゃないよ、うるさいねっ!! もうお前は奴隷なんだから。ド・レ・イ、わかるネ。2度と、元の世界に戻ることはない。諦めな、諦めた方が楽だから・・・。いいね?」

それだけ言い残して、その女は姿を消した。

キョウコには、最初はまるで意味が飲み込めなかった。言葉はハッキリと聞いていたが、その内容は全然理解できなかった。再び一人にされて、1時間・・いや数時間も経ったろうか、朧気に事態が判ってきた。・・・誘拐、されたの?

毎日、朝昼晩に・・とキョウコは思っていた。時計のないこの部屋で、一日中つけっぱなしの照明では、時間の経過を知るのが不可能だった・・規則正しく食事が運ばれてきた。食事の内容は悪くはなかった。最初は食べたくなかった。食器を掴むと、運んできた看守に投げつけたりもした。が、ついに空腹に負け、素直に食事を摂るようになっていた。

毎日、夜になると例の女の看守が現れ、シャワーに連れて行かれた。
シャワー室の前で、命じられるままに服を脱ぎ、狭いコンクリートの箱のようなシャワー室に入ると、外からシャワーを出され、それで身体を洗うのだった。終わると、必ず新しい下着と服が用意されている。それに着替えて、牢に戻るのだった。
これも最初は隙を見て、逃げだそうとした。まったく無駄だった。
また命令を無視し、服を脱ぐのを拒否したこともあった。服を着たまま、頭からシャワーを浴びせられ、ずぶ濡れになっただけだった。

そして何日かした時、鉄格子の前にTVがおかれ、ある番組を見せられた。
キョウコがレギュラーで出演している、バライティショーだった。その番組は録画でなく、生放送がウリだった。食い入るように見ているディスプレィに、キョウコ自身が映っていた。

「わかったかい!? お前が帰らなくていいワケが。チャンとお前の替え玉が、あちらで頑張ってるのサ。クローンって知ってるかい? それさ・・・」

キョウコは絶望した。そしてそれからは逆らわなくなった。その気力を失った。


・・・もう、どのくらい経ったのかしら?

もう一度、キョウコがため息をついた。


scene 2

んっ?

キョウコが、頭を上げた。いつもの時間じゃない・・・微かにそう思った。
廊下の向こうで扉の開く音がして、足音が近づいて来る。二人の足音だ・・・。
殆ど音のない場所で、キョウコは音に敏感になっていた。

鉄格子の前に現れたのは、女の看守が二人だった。

なんで!?

キョウコが目で尋ねるのを無視して、看守は鉄格子の鍵を開けると、態度で出るように示した。キョウコの両脇を挟み込むようにして、いつものシャワー室に連れて行かれた。

素直に全裸になったキョウコに、いつもより熱いシャワーが浴びせられた。飛び上がるほど熱くはない、我慢できないほど熱くはない・・・しかし、暫くすると身体が茹だったようにピンクに染まった。それでも、なかなかシャワーは止まらなかった。

やっとシャワーが止まった。キョウコがシャワー室をでる。と、いつもは用意されている下着も、服も、何も置かれていなかった。それまで着ていた服も、持ち去られていた。

「えっ、あっ・・あの・・・」

戸惑うキョウコの両側から、キョウコの腕を掴んだ看守がそのまま歩き出した。

「いっ、いや〜っ!!」

キョウコが両手を振り解き、股間と豊かな胸を隠そうとした。看守は慌てもせずに、キョウコの両腕を捻り上げると、後ろ手に手錠をかけてしまった。

「逆らうと、今度は痛い目に遭わせるから、いいね」

特に怒った様子もなく、冷静に言われただけだった。

キョウコは、まったく隠すこともできずに、看守に促されるまま歩き続けた。それ以外に、路はなかった。
廊下は、適度に空調が利いていた。むしろ暖かすぎるくらいだった。シャワーを浴びた身体が、冷えることはなかった。

やっと看守が、ある扉の前で立ち止まった。扉には「処置室」と書かれていたがキョウコは気が付かなかった。隠すことのできない身体が恥ずかしく、目を上げることができなかった。

看守が扉を開けて、なかにキョウコを連れ込んだ。中には白衣を着た女性が何人かいた。リーダーらしい女性が看守に合図すると、看守はキョウコを中央の診察台に連れて行った。

診察台・・・産婦人科の診察用の椅子、が一番近い形状だろうか。それは全て金属製で、冷たい輝きを放っていた。あちらこちらに革のベルトがついていた。見るからに凶悪な雰囲気だった。
看守はキョウコの手錠を外して「椅子」に座らせると、両手首、両足首をベルトで固定した。そして椅子の脇の、操作パネルのスイッチを入れた。

「あっ、ああっ、ああぁぁああぁっっ!!!」

思わずキョウコが悲鳴を上げた。音もなく椅子が動き出し、キョウコの手足を開いて「X」字の形を取らせていた。

白衣を着た女性の一人が、キョウコの頭にバスキャップを被せた。他の女性達はそれぞれに何かドロッとした液体の入っている缶と、やや大きめの刷毛を持ってキョウコの回りに集まって来た。
そして缶の液体に刷毛を浸すと、キョウコの身体に塗り始めた。

「ひっ、ひっ、ひいぃいぃぃっっ!!」
「や、やめてぇっ!! くすぐったいぃっ!!」

その時、先程のリーダーらしい女性が、穏やかに話しかけた。

「ちょっと我慢してネ。いま、アナタに塗っているのは‘脱毛剤’なの。あんまり暴れて、目に入ったら大変よ。顔と、頭は脱毛しないようにって、言われているから気をつけないと・・・。これ、よく効くのよ。毛穴からしみ込んで、毛根を腐らせちゃうの。だから、そこらのいい加減なエステなんかと違って、2度と生えて来る心配がないわ。あなたみたいに、シャワー浴びててくれると毛穴が開いているから、とっても効果的なの。もうすぐ終わるから、我慢してね・・」

「ええっ!? いっ、いや〜っ!! そんなの、ヤメテ〜ッ!!!」

キョウコの悲鳴が痛切になっている。一人の女性がキョウコの秘部を押し開くようにして、そこにたっぷりと‘脱毛剤’を塗り込めている。

「いやよ! いや、いやっ、イヤアァァッッ!!」

キョウコが、拘束された手足に必死の力を入れて、なんとか逃れようと抵抗している。しかし何の甲斐もなく、キョウコの全身は・・・首から下すべてが、そのハチミツのようなドロッとした液体にまみれていた。

「・・お願い。許して下さい。・・・そんなの、酷すぎます・・・」

キョウコが涙ながらに訴えている。
リーダーらしい女性は、一層優しく微笑みかけた。

「あら、そんなコトないわよ。とっても可愛くなるんだから。もうチョット待ってね。もうだいぶと効いている筈だけど・・・あと5分、すっごく可愛いあなたに会わせてあげる・・・さっ、そろそろいいかな?」

もう一人の女性が、部屋の隅にある洗面器の蛇口から、長いホースを引いて来ていた。ホースをリーダに渡すと洗面器のトコロに戻り、蛇口を全開にした。
ホースの先端から、勢いよく水が噴出した。それがそのままキョウコに当てられる。

「ああっっ、い、痛いっ!!・・つ、つ、冷たいぃっ!!・・カフッ!」

水は、まだ火照っていたキョウコの身体には冷た過ぎた。飛び上がるようにのけ反ったキョウコが悲鳴を上げかけると、その顔を水が直撃し悲鳴が途切れる。

水の勢いで‘脱毛剤’が洗い流されてゆく。それと共に、キョウコの身体からすべての‘毛’が、まるで剥がれるように抜け落ちて行く。

やっと水が止まると、リーダーはキョウコを診察台から解放した。そして鏡を差し出すと、楽しそうに言った。

「さっ、できたわよ。ほら、可愛いあなたと、ゴ・タ・イ・メ〜ン!!」


scene 3

その翌日。
いつものようにシャワーを浴びた。終わった時に用意されていたのは、いつもの服ではなかった。ビキニの、というより殆ど紐だけの薄い布地のパンティ。男物のランニングシャツ。それだけだった。

何か抗議しても無視される・・し、どうせ言う通りにさせられる。

キョウコは諦めて、黙ったままそれを身に着けた。
シャツは大きい割に、変に短かった。見下ろすと、胸ぐりから乳房の谷間が見え ていた。いや、乳首の形が浮いていた。裾はやっと臍の下くらいまでしか届かなかった。
パンティも、予想通り透けていた。股間の、秘裂の形がハッキリとわかった。むしろ何も着けない方が、余程ましなくらいだった。

「両手を出しな」

看守の命令に、素直に両手を差し出した。カチャリ、と手錠をかけられた。
歩き出した行く先も、いつもの独房へ戻る通路とは違っていた。今まで通ったことのない通路だった。

とある部屋の中に、キョウコは連れ込まれた。
その部屋に入った途端、キョウコの背筋を冷たいものが走った。
壁に、様々な形状の鞭が掛かっていた。天井や壁からは、あちらこちらに枷をつけた鎖が下がっていた。いや、床にもそんな鎖が目についた。
キョウコが恐ろしそうに、部屋を見回している。と、部屋の隅に「三角木馬」が置かれているのに気が付いた。キョウコはそんなものを見るのは初めてだった。もちろん名前も知らなかった・・が、本能的にその用途が推察できた。

看守は、部屋の中央にキョウコを立たせた。そして手錠をはずすと、天井から下がっている鎖を一本たぐり寄せ、その先についていた枷を両手首に填めた。
枷を填められた手首が、キョウコの顔の高さになる鎖の長さだった。
看守は、部屋の隅から大きな鏡を運んできてキョウコの前に据えると、そのまま部屋から出ていってしまった。

鏡に映る自分を見て、その想像以上に「セクシー」な姿に、キョウコは驚いてしまった。翳りを失った股間が透けていて、まるで誘っているように見えた。形のよい乳房と、ツンと尖った乳首もハッキリとわかった。

こんなトコロを、こんな姿を見られたら・・・その上、何の抵抗も、いや隠すことすら許されない、しかもこの部屋にある、あの恐ろしげな道具・・・もしここに誰かが・・・「男」が現れたらどうなるか、結果は目に見えていた。

来ないで・・・お願い、誰も来ないで・・・

キョウコが祈るように呟いた。


突然扉が開き、人が入ってきた。黒い顎髭のある大男だった。キョウコが監禁されて以来、初めて目にする男性だった。
続いて、赤のボンデージスーツに身を包んだ女性が現れた。
後にキョウコはこの二人が副長のK・Tと、拷問課のマキであることを知ることになる。今はただ、ビクッと身体を震わせただけだった。

「ホホウ・・・キョウコ、なかなかいい格好だな。」

男がからかうように声をかけた。ニヤリと笑った顎髭の間から、白い歯がキラッと光った。
キョウコは物心ついてから、男性に裸身を見られたことなどなかった。まして今の姿は、強制されているポーズは、全裸よりはるかに艶めかしい。
唇がワナワナと震え、全身に冷たい電流が走る思いだった。

男がキョウコに近づく。
ヒイィーッ・・・ 恐怖に、キョウコの喉が笛のような音を立てた。

男の手が、キョウコの尻に触れた。
初めての、そのおぞましい感覚にキョウコが竦み上がった。

男は楽しむように、そのままキョウコの尻を撫で廻していたが、ふいにパンティ上の方をグーッと引き上げた。引き延ばされたパンティが、尻の割れ目にくい込んで行く。そしてパッと手を離すと・・・パンティはくい込んだままで、後ろの布地は一本の紐のようになり、双丘がすっかり剥き出しになってしまった。

ピシャッ! 男の手が、軽く尻を叩いた。

アウゥッッ・・・ キョウコが呻いた。

男はキョウコの腰に両手を当てると、キョウコの身体をグイッと回した。

「ほれ、見てみろ。なかなかイイ姿だぜ。」

鏡に映る姿は、正視できるものではなかった。思わず目を閉じた。

バシ〜ン!!

キョウコの尻が鳴った。思い切り叩かれたのだ。

「しっかり目を開けておくんだ。いいな! こんなものでも、もう着ることはなくなるかもしれんからな・・・」


scene 4

女が近づいて来ると、手に持っていた紙をキョウコの目の前に突きつけた。

「ほら、今度のショーの、お前のセリフだよ。しっかりと覚えな!」

震えながら、やっとの思いで書かれた文字を読んだキョウコは、思わず叫んでいた。

「そっ、そっ、そんなっ! そんなコト、言えませんっ!!」

「ショーまであまり時間もないし・・・どうやら、もう少し楽しい思いをしないと、覚えられないみたいネ。」

「イヤですっ!! ゼッタイに言えませんっ!!」

「ふん、まぁそんなセリフは今の内だけね。これはお前の大切なデビューなんだから。どうあっても、言わせてみせるからね。」

女は壁際のチェストに行くと、ギラギラ光る大きな鋏を取り出した。戻って来ると、その鋏の尖った先で、キョウコの乳首をつついた。

「あっ、痛っ!! ヤメテ!」

「もの覚えがよくなるように、もう少し可愛い格好にしてあげるよ。」

女はシャツを掴むと、胸の辺りに鋏を当てた。
ジョキジョキ・・・シャツを切り始めた。ちょうど乳房の下の縁と、乳首との真ん中付近を横に切って行く。やがてシャツの下半分が、ハラリとキョウコの足元に落ちた。ギザギザにされてしまったシャツの縁から、キョウコの乳房の下側が覗いている。

「さ、目をつぶったら承知しないわよ。」

言いながら、女は何かリモコンのスイッチを操作した。

「あ? あぁっ!? ああぁぁあぁっっ!!!」

キョウコの手首を吊っていた鎖が、ゆっくりと、実にゆっくりと、上の方に引かれ始めた。それに連れて、少しずつキョウコの両手が頭の上へと引かれて行く。

「イヤ〜ッ!! ヤメテ!! イヤアァァッッ!!!」

両手が持ち上げられるにしたがい、シャツが捲れて行く。下の縁から、少しずつ乳房の見えている部分が広くなって来る。

そして乳首の、朱鷺色の乳輪が僅かに顔を覗かせた時、鎖の動きが止まった。

「さてと。どう、覚える気になったかしら。」

キョウコは答えるどころではなかった。腕組みをして、ニヤニヤと笑いながら正面に立っている男の視線が、耐えられなかった。

「そう。それなら・・・」

女がまたリモコンを操作すると、今度は勢いよく鎖が引き上げられた。アッと言う間にキョウコの両手は吊り上げられ、今はかろうじてつま先立ちで手枷にぶら下がっている。

「目を閉じるんじゃないっ!!」

鏡の中で、キョウコの乳首はすっかり晒されていた。なまじ、白いシャツが乳房の上にあるのが、却って刺激的だった。

男がキョウコの後ろに立った。両手を伸ばすと、後ろからキョウコの乳房を掴み上げた。

「あぁっ!! イタイッ!! イタイィッッ!!」

容赦のない力で、男の指が乳房にくい込んでいる。そのままグリグリとこね回された。
と、指が乳首を捕らえた。まるで摺り潰すように、乳首を挟み上げた。

「ギャアアァァッッッ!!!」

あまりの激痛に、キョウコの吊られた身体が跳ね回った。それでも乳首は許されなかった。まるで引きちぎるように、捻り上げられた。捻られるにつれ、乳首の根本に皺が寄った。

「イイイイィィッッッ!!! ・・・ツ、ツ、ツゥゥッッ」

ふいに、キョウコの目の前が暗くなった・・・。


scene 5

キョウコは、ハッとして目を開けた。
ズブ濡れになっていた。頭から水を浴びせられたのだった。

パンティも、切り刻まれたシャツも水を吸って透明と化し、もはや何も着けていないも同然だった。・・・いや、その方がどれほど良かったか。この、下着としては何の役にも立たなくなったパンティが、恐ろしい「責め具」に変化するとはキョウコに判るはずがなかった・・・。

女がキョウコに近づく。

ああぁっっ!! お願いっ! もう許して」

「さぁね。セリフ、覚えたら許してあげてもいいけど・・」

「で、でも・・あんなコト、言えません。」

女がクスッと笑った。そしてキョウコのパンティの、腰の辺りを掴むと引っ張り上げて、腰骨にかけるようにした。パンティは股間にますますくい込んで、その盛り上がりを強調していた。

女が再び鋏を取りあげた。そしてパンティの、前の部分の布地を切り始めた。時々、パンティを持ち上げるようにして、両脇のゴムの紐を残すように布を切り離して行く。暫くして女が鋏を手放した時、もはやキョウコの着けているのはパンティではなくなっていた。

腰を回る紐から下は、布の部分がまったく無くなっていた。両脇から二本のゴム紐が足の付け根に沿って下がっている。その紐はキョウコの秘部を挟むように食い込み、その恥ずかしい部分を前に押し出すようにしていた。

「言うことを聞かない子は、お仕置きしてあげなくちゃ。いいわね。」

「そ、そんな・・・」

「女の子には辛いわよ、とっても・・。それとも、ヤミツキになるかな?」

女は楽しそうに話しながら、片手でパンティの・・いや、パンティの残骸の紐を股間の所で掴むと、グーッと前に引っ張った。ゴムがピンと張った。

「さ、行くわよ」

女が手を離す。
ピシャン!と音を立てて、伸びていたゴムがキョウコの股間に叩きつけられた。

「クウゥゥゥッッ!!」

キョウコの身体が硬直した。最も敏感な「女の子」の部分に加えられた、そんなものがあるとは想像もつかない刺激だった。キョウコの、固く食いしばった歯の間から、唾液が一筋糸を引いた。ブルブルと震える太股が、キョウコの苦痛の大きさを物語っていた。

「さ、もう一度・・・行くわよ。」

再び女の手が、ゴムを掴んだ・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「さて? まだ強情を張るのね。それじゃ・・・」

キョウコはガックリと首を垂れ、手枷に吊り下げられていた。
キョウコの秘丘は、何本ものほんのりと赤い筋が、縦に走っている。ハァハァとか細く呼吸をしているのが、いかにも辛そうだ。

女の指が、またゴムを引き延ばした。しかし今度は手を離さず、そのままもう一方の手で、キョウコの秘裂を押し開いた。

「ああぁぁあっっ!! ダッ、ダッ、ダメエェッッ!!!」

キョウコが必死に叫んだ。直撃されたら、それこそ耐えられるはずがなかった。その苦痛の大きさは、キョウコでも想像できた。いや、想像ができなかった。

女は、しかしキョウコの予想を裏切って、まだゴムから手を離さなかった。その代わり、キョウコには信じられない作業を始めた。

キョウコの秘裂の奥にある、最も敏感な若芽の包皮を剥きあげたのだ。そしてそれを、しっかりと摘み上げた。直に触れられる激痛は、我慢できなかった。キョウコの全身から、滝のように汗が吹き出し、流れ落ちた。吊られた身体を捩ってなんとか逃れようとした。しかしそれは一層しっかりと摘まれ、苦痛を増すばかりだった。

女がゆっくりとゴムを元に戻した。しかし、それまでのように秘丘を両側から挟むのではなく、秘裂の中に埋め込むように戻したのだ。そしてゴムの、腰を回る紐の付け根の処を束ねるように掴むと、臍の下で紐に結びつけてしまった。

ゴムはまるで一本になったように、まっすぐ下に降りていた。そして秘裂の処でその中に潜り込み、姿を消していた。そしてそのゴムに挟まれて、キョウコの若芽が、頭を覗かせていた。

キョウコの若芽は、その根本をゴムで挟み込まれ、その敏感な部分を保護する覆いが、その役を果たすのを拒まれていた。根本を締め上げられた若芽は鬱血し、赤く染まって膨れ上がっていた。

「さっ、これで準備ができたっと・・・」

女はそう言うと、爪でピチッと若芽を弾いた。

「クワワワアァァァッッッ!!!」

キョウコの絶叫が響いた。一瞬、弓のように反って硬直した身体が、次の瞬間、ガクガクと痙攣した。痙攣を続けた。

暫くして、ようやく痙攣が治まりかけると、再び女が手を伸ばした。

「アアッ! ヤメテッッ! 言いますっ、言いますから、許してっ!!」




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