ヘルボーイ
HELLBOY


UIP
2004年アメリカ映画、132分

<ストーリー>
第二次世界大戦末期、敗色濃厚なナチスは起死回生を狙い、妖僧ラスプーチンと手を組み異界から邪悪な神を召喚しようと計画していた。そしていよいよ計画が実行に移されようとしたその時、アメリカ軍が急襲、異界に呑み込まれたラスプーチンと引き替えに真っ赤な姿の奇妙な生き物が異界から産み落とされるのだった。その生き物は“ヘルボーイ”と名付けられ、超常現象学者ブルーム教授によって大切に育てられる。やがて成長したヘルボーイは、教授が設立した極秘の超常現象調査防衛局のエージェントとして異界からの侵略者たちと日夜死闘を繰り広げていた。

<キャスト>
ロン・パールマン、セルマ・ブレア、ジョン・ハート、ルパート・エヴァンス

<スタッフ>
監督、脚本:ギレルモ・デル・トロ 製作:ローレンス・ゴードン 音楽:マルコ・ベルトラミ

<レビュー>
この映画はアメリカン・コミック(通称アメコミ)の「ヘルボーイ」の映画化だが、原作は読んだことがないので原作はともかく、この映画はあんまり面白くなかったなぁ。監督のギレルモ・デル・トロは「ブレイド2」などのアメコミ作品や「デビルズ・バック・ボーン」のようなホラー作品をよく作る。この映画は同僚が殺されたり、というようなダークなテイストが結構あり、またコミカルなテイストが織り交ざった、ちょっと変な作品だ。

通常のヒーローものとの違いを持たせるために、ヒーロー(ここではヘルボーイ)が同僚のエージェントに恋心を持ち、その片思いに苦悩する姿も描いている。ちなみにヘルボーイは全身赤色で、頭に巨大な角を持ち、髪型がちょんまげの異様なキャラクターであるが、そんな変な容姿で恋心もあるか!あんまり想像できません。

「ヴァン・ヘルシング」でも言ったけど、最近の映画はアクション描写がたいしたことがない。この映画もそう。最初30分ぐらいにヘルボーイが敵と戦うとき、ヘルボーイが余裕しゃくしゃくでシラケてしまうし、戦闘シーンも迫力が無い。主人公が余裕しゃくしゃくというようなアメリカの映画のノリは、なんか緊張感が無くてあまり好きになれません。映画の最後あたりで、死者を蘇らせて道案内をさせるのはちょっと引いたわ。別に死者蘇らせなくてもよかったと思うんだけど、まあいいか。アメコミは荒唐無稽なものだからな。でも最後に出てきたエイリアンみたいな敵は一体なんやねん!あれはあかんやろ。しかも簡単にやられすぎ(笑)。

鋭い剣を使う不気味な姿をした殺し屋のクロエネンは結構よかったと思う。彼の不気味な容姿はとてもクールだったし、彼が剣を使って任務を遂行する場面は残虐性が出てて、いかにもやり手の殺し屋、という感じだった。だからヘルボーイとの対決シーンは最初あたりはどうなんのかなと思ってまあまあハラハラしたけど最後の死に方が物足りなかったかな。

それにしても最近ハリウッドはアメコミに頼りすぎではないだろうか。「デア・デビル」やら「スパイダーマン」やらアメコミの映画化が多すぎるよ。面白かったら良いけど、大半が面白くないもんなぁ。ハリウッドにはできるだけオリジナル作品を作ってほしいものです。

<評価>
 5点(満点10点)

<DVD>

  • 特典
  • 時間 約132分
  • 色彩 カラー
  • 面・層 片面2層×2
  • 映像 16:9/LB
  • リージョン 2
  • 字幕 日本語・英語
  • 音声 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
  • 販売元ソニー・ピクチャーズ

    トップへ戻る