イナフ
ENOUGH
ソニーピクチャーズ
2002年アメリカ映画、115分
<ストーリー>
ダイナーのウェイトレス、スリムはある日、ミッチという親切な男に出会い、結婚する。スリムはウェイトレスを辞め、建設会社を経営する裕福なミッチとの幸せな結婚生活が始まる。やがて娘グレイシーが生まれ、3人で何不自由なく優雅に暮らしていた。だがグレイシーが5歳になった頃、ミッチは突然変貌する。何でも欲しいものを手に入れてきた彼はスリムも物として扱い、暴力で家庭を支配しようとしていた。恐怖におののくスリムはグレイシーを連れて家を飛び出すが、ミッチはあらゆる手段で彼女の行く手を阻むのだった…。
<キャスト>
ジェニファー・ロペス、ビリー・キャンベル、ジュリエット・ルイス、ダン・フッターマン、ノア・ワイリー
<スタッフ>
監督:マイケル・アプテッド
製作:アーウィン・ウィンクラ―、ロブ・コーワン
脚本:二コラス・カザン
音楽:デヴィッド・アーノルド
<レビュー>
ドメスティック・バイオレンスを扱った映画。しかし内容は堅くてシリアスなものではなく、サスペンス・アクションとなっています。
劇中のミッチが本当に怖い・・・。ここまで執行に妻を追っかけてくると、ストレスが溜まりまくりやわ。しかもこの男、妻に浮気を知られても謝ることもなく平然と浮気を続け、挙句の果てに不満を言う妻に暴力を振るう。こりゃ最低の夫だわ。それにしてもよくここまでしつこく追っかけてくるよなぁ・・・。警察の友達を使って居場所を調べ、またヤクザを雇ってスリムの周りの人々を脅したりする。こんなやつも滅多にいないとは思うけど、ここまでされたらマジ怖いね。でもよくよく考えてみるとミッチは何故こんなにもしつこく追っかけてくるのだろうか、その理由がよく分からなかったし第一に深く描かれてもなかった気がする。何が彼をそうさせたのかがあまり分かりませんでした。
ストーリーは端的に言えば逃亡劇。だから結構ハラハラはするけど、悪く言えば単純かなぁ。最初は妻への暴力をまざまざと見せつけるサスペンス・スリラーものかと思ってたけど、先に述べたようにハラハラさせる逃亡劇なので内容的には見やすいです。暴力を受け始めるまでの過程がうまい具合にまとめられていたのでそれは良かったかな。あと気に入っているのがラストかな。つまり護身術を習って夫にやり返すところ。肉体的にも精神的にもここまでひどくやられていたので、最後に夫をぶちのめしたのは本当にスカッとしました。まああんな短時間であれをマスターしたのはちょっと無理があるけども・・・。
スリムを演じたのは歌姫ジェニファー・ロペス。彼女はいたぶられるような役はやったことがないのに夫の攻撃に立ち向かっていく強い女性をうまく演じていやし、共演のダン・フッターマンやジュリエット・ルイスの好演も光っていた。でも特に良かったのはミッチ役のビリー・キャンベルかな。もう表情だけでも怖さと怒りが滲み出てて、僕は気に入っている。
最近ドメスティック・バイオレンスが増加しているようです。この映画は護身術を使って夫から自分の身を守る女性を描いている、ということでこの護身術(クラブ・マガ)が映画とともにとても話題になりました。先程も言いましたが、決してシリアスなものではないので気軽に見ることができるでしょう。けどドメスティック・バイオレンスの問題は真剣に考えてね。
<評価>
7点(満点10点)
<DVD>
特典
音声解説1:マイケル・アプテッド&ニコラス・カザン,
音声解説2:アーウィン・ウィンクラー&ロブ・コーワン
未公開シーン(マイケル・アプテッド&ニコラス・カザンによる音声解説付)
ミュージック・ビデオ”ALIVE”
メキング・ドキュメンタリー("A Clear message"、”Enough is Enough”、クラヴ・マガ(護身術)について)
フィルモグラフィ,
オリジナル劇場予告編集(「イナフ」、「メイド・イン・マンハッタン」、「マネートレイン」、「パニック・ルーム」、「ザ・インターネット」)
時間 約115分+特典映像
色彩 カラー
面・層 片面2層
映像 16:9/LB
リージョン 2
字幕 日本語・英語
音声 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
販売元ソニー・ピクチャーズ
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