コーラス
LES CHORISTES
角川ヘラルド映画
2004年フランス映画、97分
<ストーリー>
1949年フランスの片田舎。親元を離れて寄宿学校で暮らす子供たち。それぞれに問題を抱え、悲しい目をした彼らを学校は厳しく縛りつけていた。そんなある日、一人の音楽の先生がやってきた。先生は、寂しさを悪戯で紛らわす子供たちを叱るかわりに、歌を教えてくれた。そして彼らは、歌うことで希望と無邪気な笑い声を取り戻していく。その中に“奇跡の歌声をもつ少年”ピエールがいた。だが彼は学校一の問題児だった・・・。
<キャスト>
ジェラール・ジュニョ、フランソワ・ベルレアン、ジャック・ぺラン、ジャン=バティスト・モニエ、キャロル・ヴェイス
<スタッフ>
監督、脚本、音楽:クリストフ・バラティエ
製作:ジャック・ぺラン
合唱団:サン・マルク少年少女合唱団
<レビュー>
フランスで大ヒット、その後世界中でもセンセーションを巻き起こした映画「コーラス」。こりゃ観なきゃ!ということで早速観ました。僕の好きな、非常に温かみのある映画でした。
舞台は「池の底」と呼ばれる問題児ばかりが集まる学校。主人公は音楽家になる夢を諦めて挫折した音楽教師と、「池の底」の生徒達。物語はその教師が「池の底」にやってくるところから始まる。この教師は夢に挫折したという辛い過去がある。しかし同様に「池の底」にいる生徒達もそれぞれ辛い過去を背負っている。例えば、モランジュは母親に会えない悲しみ、ペピノは両親が戦争で死んでしまった過去(本人は知らないのだが)を抱えている。とにかくここの生徒は何かしら辛いことを経験してるはずだ、なぜならそうでなければこんな学校には入ってこないのだから。だから教師マチューはこの辛い気持ちを持つ生徒達に共感して寛容に生徒に接してくれるのだろう。自分も夢破れて辛い気持ちになってるからね。マチューは「池の底」の校長とは違って本当に寛容な態度を示すねぇ、演じた俳優の顔も本当の意味での優しさが滲み出ている。
マチューは生徒達にコーラスをさせてみるが、このコーラスが本当に美しい。純粋な気持ちで歌う少年の歌声は魂に透き通るようですわ。このコーラスによって少年は以前とは違う、優しい表情を見せるようになる。ここが音楽の良い所、また教師自身もコーラスの成功によって新たな希望を見出したのではないか。まあ結果的にマチューは学校から追い出されるけど、最後もありがちなラストではなく、生徒達が一生懸命歌いながらメッセージ付きの紙飛行機を飛ばすことによってマチューとのお別れをする。別れのシーンはマチューの姿もまた悲しげではあるが、この歌声が素敵で僕は悲しくはなりませんでした。とりあえずラストは印象深いです。ただちょっと疑問に思ったんだけど、手に負えない問題児、特にモランジュがマチューの指示に従ってコーラスに素直に参加したなぁということ。モランジュがどういう経緯で先生に心を開いていったのか、それを示すシーンが少なかったように思われて、ちょっと実感が沸かなかったかなぁ。
映像が温かく、また歌声が美しい。ただの感動作ではない、なんとなく懐かしいような心温まる映画です。個人的に心に残る作品となりました。
<評価>
8点(満点10点)
<DVD>
特典
本編ディスク:
オリジナルティーザー、
オリジナル予告、
日本版予告、
ショート・インタビュー (ジャン=バティスト・モニエ、ジェラール・ジュニョ、ジャック・ペラン)
特典ディスク:
メイキング:「コーラスはこうして生まれた」
撮影現場より:
天使たちの歌声(音楽メイキング)、
僕に話して(子供たちの語らい)、
13歳以上立ち入り禁止、
悪戯したら、お仕置き?(監督ナビゲート)、
天使たちのカメラテスト、
コーラス・イン・ジャパン:
ジャパンプレミア 天使のソロ ほか、
久石譲×ジャック・ペラン 対談、
イースターエッグ(隠しコマンドのスペシャル映像〜大人になったら広場のカフェへ〜)、
天使たちのフォトギャラリー
時間 97分+特典映像
色彩 カラー
面・層 片面2層×1+片面1層×1
映像 16:9/LB
リージョン 2
字幕 日本語・日本語吹替え用字幕
音声 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/フランス語
2:DTS/5.1chサラウンド/フランス語
3:ドルビーデジタル/サラウンド/日本語
販売元アミューズソフトエンタテインメント
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