チェンジング・レーン
CHANGING LANES
UIP
2002年アメリカ映画、98分
<ストーリー>
ニューヨーク・マンハッタン。渋滞するハイウェイの中、若手敏腕弁護士のギャビン・パネックは重大な案件のため、裁判所へ急いでいた。一方、隣の車線を走るドイル・ギプソンは、アルコール依存症で妻子と別居中。カウンセリングによって依存症から立ち直り、彼もまた親権をめぐる裁判出廷のために裁判所へ向かっていた。そんな時、先を急いでいたギャビンが突然車線変更したため、隣のドイルの車と軽い接触事故を起こしてしまう。慌てていたギャビンは、非を認めつつもギブソンの示談の申し出を無視して白紙の小切手を一方的に渡してその場を去ってしまうのだが…。
<キャスト>
ベン・アフレック、サミュエル・L・ジャクソン、キム・スタウントン、トニ・コレット、シドニー・ポラック、アマンダ・ピート、ウィリアム・ハート
<スタッフ>
監督:ロジャー・ミッチェル
製作:スコット・ルーディン
脚本:チャップ・テイラー
音楽:デヴィッド・アーノルド
<レビュー>
ある事故をきっかけに見ず知らずの2人の男の人生が互いに対して憎しみと怒りをぶつけていく、というサスペンス・スリラー作品。全米で公開されるや否や大ヒットを記録した。
この映画でまず引かれたのがストーリー。2人の男が倫理観を無視して互いに報復合戦を繰り広げる。ひどい時なんて相手の銀行口座を凍結させて破産に追い込んだり、タイヤのピンを取って事故に遭わせたりする。彼らがこんな酷い事をするのは自分の人生が一つの車線変更という一瞬の出来事によって転落の道へと突き落とされたからだ。ある者は裁判に遅れて親権を失い、自分の愛する息子たちともう会えなくなってしまう。ある者は裁判に必要な重要書類を無くして自分のエリート人生の破滅の危機に陥る。彼らの倫理観を無視した、報復合戦というドロドロした人間ドラマが見る目を離せないほど面白い。彼らのドラマを描いたのは監督のロジャー・ミッチェルと脚本のチャップ・テイラー。彼らは2人の善と悪の両面とその心理描写を巧みに描いている。
もちろん報復をし続けるままでは終わらない。ラストについて述べるが、2人は結局停戦をするが、そこからの善の行い、つまりギャビンの償いがまた良い。彼はギプソンの妻に事情を説明し、妻を説得するのだ。それによってギプソンは家庭を取り戻すことができ、またギャビン自身も自分に不正をそそのかした悪徳上司に立ち向かえるほどの成長もする。ラストの家族が見つめあうシーンは、先のドロドロした展開があったからこそ感動もひとしおだ。
ギャビンとギプソンを演じたのは、若手俳優のベン・アフレックと演技派サミュエル・L・ジャクソン。二人とも今回の演技はとても良かったように思う。シドニー・ポラックや・ウィリアム・ハートなどの脇役もとても印象深い。
久々に良かったかな。ドロドロした報復合戦はとても重厚なドラマとなっている。結構見応えあると思います。
<評価>
8点(満点10点)
<DVD>
特典
1.ロジャー・ミッチェル監督による音声解説
2.メイキング・オブ・"チェンジング・レーン” (14分57秒)
3.脚本について (6分29秒)
4.削除シーン&追加シーン (9分29秒)
5.劇場予告編 (2分24秒)
時間 98分+30分
色彩 カラー
面・層 片面2層
映像 16:9/LB
リージョン 2
字幕 日本語・英語・日本語吹替え用・音声解説用字幕
音声 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
3:ドルビーデジタル/サラウンド/英語/(音声解説)
販売元パラマウント・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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