シリーズ「食品添加物ABC」             無断転載禁止

テーマの食品にちなんだ食品添加物の問題点をわかりやすく解説したコラムです。
ただし400字という制限があるため、このページの作成に際して追加捕捉説明をいたしました。(順次UP中!)
生活クラブ生協神奈川 機関紙えぽ連載企画(2007/5月号〜2008/4月号)


@ テーマ食品”漬物”
A テーマ食品”米・弁当”
B テーマ食品”お茶飲料”
C テーマ食品”アイス・チューペット”
D テーマ食品”パックサラダ・カット野菜”
E テーマ食品”和菓子”
F テーマ食品”加工肉”
G テーマ食品”おせち”
H テーマ食品”たらこ、明太子、イクラ”
I テーマ食品”チョコレート”
J テーマ食品”コンビニのおでん”
K テーマ食品”ガム”


@テーマ食品 ”漬物”

一般的な漬物には着色料、保存料、酸味料、PH調整剤、化学調味料など沢山の添加物が使われています。横浜港には塩蔵された農産物が大量に輸入されていて、鮮やかな色や古漬け風の色など、どんな色にでも着色しやすいよう真っ白に加工されているものまであります。これに酸味料、塩、醤油、砂糖などで味を付け、調味料(アミノ酸等)=化学調味料で人工的な旨味を加えて漬物の出来上がり。さらに減塩でも日持ちするように保存料やPH調整剤を駆使して保存性も良くしてくれています。こういった漬物が売場の大半を占めているのです。また漬物には主原料の原産地表示の義務がありますが、漬物風味の味付け加工品として原産地が表示されていない商品も見かけます。新鮮な野菜で自家製の漬物にもチャレンジしてみてください。シンプルな漬物なら案外簡単に出来るのです。漬物を購入する場合には国産の野菜をちゃんと漬け込んだ、添加物の少ない漬物を選びましょう。


追加捕捉説明:(仮)
健康に良い漬物として有名なのはキムチですね。キムチは白菜などを一旦塩漬けにしてヤンニム(アミ等の塩辛、大根やニラ、唐辛子、だし等)をまぶして乳酸発酵させたもので、この乳酸菌がとても健康に良いわけです。日本のぬか漬け、すぐき、白菜漬けなども、本来は塩に漬け込んで時間をかけて乳酸発酵することで酸味が加わるのです。西洋ではピクルスやザワークラウトがこれに当たります。ところが、乳酸発酵には時間がかかるということと、乳酸菌が生きたままだと購入後に発酵が進んで、袋が膨らんでしまったりするため、市販品では乳酸発酵せずに酢や酸味料で酸味を加えているものがほとんどなのです。そのほうが短時間で加工でき、取り扱いが楽なのです。せっかく漬物を味わうなら、しっかり乳酸発酵した漬物を選びたいですね。乳酸菌には整腸作用だけでなく、花粉症を予防する効果もあります。購入後に発酵が進むものや、酢や酸味料を使用せずに酸味が出ている漬物を選ぶと良いでしょう。

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Aテーマ食品 ”米・弁当”

食品の原材料表示には全ての原材料を書くことになっていますが、キャリーオーバーという規定で表示が免除になるものもあります。 “持ち越してまで表示しなくて良い”という意味で、お弁当のカマボコに入っていたリン酸塩や業務用醤油に入っていた酸化防止剤などが表示免除となります。添加物全てに適用されるわけではないのですが、表示されない添加物があることは認識しておきましょう。加工原料を多用している商品ほど表示免除になる添加物が多くなり、数多くの添加物を知らないうちに摂取してしまうことになるのです。またご飯類には炊飯添加剤が使用されることが多いのですが、生の“米”ではなく“ご飯”を原材料としているため、表示はされません。回転寿司、ファミレス、弁当店などでもよく使用されています。毒性は低いのですが「古米でも新米の味に」とうたわれている商品もあり、食品添加物には“品質をごまかされる”という問題点もあるのです。

追加捕捉説明:(仮)
お弁当は様々な加工食品の集合体ですから、使用されている添加物の種類がとても多くなります。しかしそれだけでなくお弁当には常温で日持ちさせなくてはならないという性格もあり、日持ちを向上させる添加物が多く使われることになります。たとえ合成保存料無添加となっていても、その代わりにPH調整剤がよく使用されますし、ナトリウム分を含む添加物も保存目的で使用されています。これには塩分濃度を上げて保存性を高める効果があるわけですが、「塩」ではないので味が塩辛くなるわけではありません。しかし体にとってはしっかり塩分として働いてしまい、知らず知らずに塩分の接種量が増えてしまうのです。

〜情報〜
メーカー:大塚薬品工業
商品名 :炊飯ミオラ
用途  :炊飯添加剤、食味改良剤
価格  :1kg 3500円程度
使用量 :1升につき約1g使用。
寿司専用のミオラゴールドも販売している。
肉用にも肉用ミオラ(蛋白質分解酵素が主原料)を販売している。

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Bテーマ食品 ”お茶飲料”

お茶のおいしさは香りと味と色だといいます。しかし時間とともに酸化して香りと色が失われてしまうのです。殆どのお茶飲料の原材料にビタミンCと表示されていますが、これは化学合成の食品添加物で、原料茶葉にもともと含まれていた栄養素ではありません。メーカーは栄養強化目的で添加しているとしていますが、実際は変色を防ぐための酸化防止剤と考えられます。ビタミンCはとても酸化しやすい物質で、食品より先に酸化することで食品の酸化を防ぎます。酸化したビタミンCに栄養素としての効果は期待できません。金属イオンと反応して発がん物質である過酸化水素を発生させるという性質もあります。原料茶葉については農薬も心配ですし、抽出促進剤や化学調味料が添加されることもあると聞きます。やはり無農薬の茶葉で煎れたてを飲むのが一番安全でおいしいですね。ビタミンC無添加の緑茶飲料は稀ですが、紅茶や麦茶系の飲料はありますので探してみましょう。

追加捕捉説明:(仮)
市販品でもわずかに無添加のお茶飲料はあります。麦茶系ではカゴメの六条麦茶、紅茶系では大塚のジャワティーストレートがビタミンC無添加ですね。残念ながら緑茶系ではほとんど見かけません。
抽出促進剤にはリン酸塩やPH調整剤系の添加物が使用されるようですが、どの程度の製品で使用されているかは不明です。お茶以外ではコーヒーで抽出促進剤は使われるようです。これらは原料に添加されたものを使用すればキャリーオーバーとみなされ製品に表示はされません。

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Cテーマ食品 ”アイス・チューペット”

当たり前の話ですが食品添加物にも原料があります。合成着色料は石油タールを分離して作るので“タール色素”と呼ばれています。食品には“△色△△号”と表示され、アイスやチューペットを選ぶ時に一番避けたい添加物です。赤青黄緑の4色12種があり、どれも発がん性やアレルギー性が疑われるものばかりです。石油の高騰でタール色素の価格も上がるのかも知れませんね。天然由来の着色料はタール色素より安全なものが多いのですが、コチニールは本来食用ではない、カイガラムシというサボテンに付く寄生虫が原料で、遺伝毒性の疑いもあります。またチューペットに使われる安息香酸は、トルエンを金属触媒で酸化させて作る保存料で、遺伝毒性や変異原性に不安が残ります。チューペットは子供が直接噛むものなので、環境ホルモンの溶出を考え、添加剤を使わない容器が望ましいのですが、容器の添加剤は表示義務がなく、一般では選択ができない状況ですね。

追加捕捉説明:(仮)
安息香酸は清涼飲料に認められた合成保存料です。そのため氷菓には使用禁止となります。チューペットは凍らせて食べるのが目的ですが、凍らせずに流通し、飲料という扱いになるため、安息香酸の使用が可能なのです。この安息香酸と合成着色料が清涼飲料では一番避けたい添加物です。まずはこの二つの添加物を使用していないものを選ぶように心掛けましょう。


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Dテーマ食品 ”パックサラダ・カット野菜”

カット野菜は元々外食産業用に開発されたものですが、現在では様々なパックサラダやカット野菜が店頭に並んでいます。カットされた野菜は痛みやすく、しかも加熱せずに食べる商品なので、殺菌や鮮度保持に工夫がされています。一般的には水道水の200倍程度の高濃度の次亜塩素酸Naで殺菌、カット後に再び高濃度の次亜塩素酸Naと退色防止剤のビタミンCが入った溶液にしばらく漬けてから洗浄されます。野菜を水に漬けるとパリっとしますが、これは野菜が水分を吸収したためで、浸水時に薬品が使用されれば、当然それらも一緒に吸収されることでしょう。しかしこのような添加物は”加工助剤”という規定で表示が免除になるのです。さらに計り売りやバラ売りの場合には原材料すら一切表示しなくても良いのです。また添付されるドレッシング類は業務用のことが多く、一般の商品よりも多くの添加物が使われていることもあるので注意しましょう。

追加捕捉説明:(仮)
実際にカット野菜から高濃度の次亜塩素酸ナトリウムが検出されました。レタスは芯の部分から水分や栄養を補給されていますが、いったん剥いてカットしてしまうと栄養が補給されることはないため、栄養価は下がってしまうのです。パックサラダやカット野菜は、変色防止と酸化防止の目的で合成ビタミンCも添加されているため、数日たっても見た目は新鮮そうですが、ビタミン類を中心に栄養価はどんどん減っているのです。またビタミンCには塩素臭を消す効果もあるため、実際に塩素が残留していても塩素臭はしないのです。


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Eテーマ食品 ”和菓子”

日本人はお米から様々なお菓子を生み出してきました。うるち米からは団子や煎餅が、もち米からは餅菓子やあられが作られます。生菓子はお米の種類と加工方法によって団子、外郎、御萩、餅菓子、道明寺、白玉、求肥などと作り分けられますが、お米が原料の生菓子は固くなりやすいため、昔ながらの作り方のお店では当日中に食べるよう注意されます。スーパーなどで流通する商品の多くは固くなるのを防ぐために、湿潤剤や軟化剤としてソルビット、グリシン、トレハロースなどの添加物や、酵素が使用されています。いずれも強い毒性はありませんが、リスクを減らすためになるべく添加物の少ないものが良いですね。酵素は遺伝子組み換え作物が原料である場合もあります。また練り切りなどの上生菓子は、職人の技で作られる美しい形や鮮やかな色彩を見て楽しむということも重要なものですが、残念ながらその鮮やかな色彩は合成着色料であることが多いのです。

追加捕捉説明:(仮)
業務用に流通する餡には保存料等が使われていることもありますが、これらはキャリーオーバーとなり製品には表示されません。やはり和菓子はちゃんと餡から自家製で作っている和菓子屋で買いたいものです。特に餅菓子類は次の日には固くなるのが自然なものだということをお忘れなく。


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Fテーマ食品 ”加工肉”

食品添加物を使う目的のほとんどがコストダウンと見栄えを良くすることです。一般的にハムなどには発色剤が使われますが、これは発色剤が血の成分の赤い色を保持して色良く仕上がるからです。ところがコストダウンのために植物タンパクで増量すると、植物には血の成分が無いので発色しない部分ができてしまい着色料が併用されます。さらに旨味を補うアミノ酸、粘りを補う増粘剤も使われます。薫製する時間を短縮したり省くためには薫液が使われます。流通や保管時の保存性を良くするためには保存料が使われます。こうした添加物が流れ出てしまわないよう結着剤が使われます。こうしてコストダウンのために芋づる式に添加物が使用されていくのです。発色剤(亜硝酸Na)は毒劇物指定されていて、食品中のたんぱく質や保存料(ソルビン酸)と結びついて強い発がん物質が生まれる物質です。発色剤を使わない「無塩せき○○」という表示を確かめて購入しましょう。

追加捕捉説明:(仮)
実はほとんどの高級手作りハムにも発色剤が使われています。ハムは元来保存食品で、濃い塩水に漬けてから、干して水分量を減らし、しかも薫製加熱するという方法で保存性を高めていました。自然界に存在する硝酸成分と塩が肉の中の血の成分と反応して、発色剤と同じメカニズムを生んで、ほんのり赤みが出たのです。しかし現在のハムはそれほど濃い塩分ではないため発色効果は見込めません。ジューシーさを保たせるために乾燥もそれほどさせないので保存性も悪くなります。各家庭にしっかりとした冷蔵設備が整っていない頃のことですので、発色効果と保存を目的に発色剤(亜硝酸Na)が使われることになったのです。そのためドイツ伝統製法でもハムには発色剤を使うものとされていて、本物の職人が手作りで作ったハムにも発色剤が使われるのです。ですからこの場合はコストダウンが目的ではいため、増量などは行わず、しっかり燻製されるため、味は良いのですが価格は高価なものとなります。現在の日本では、製造、流通、小売、家庭の全ての現場で冷蔵設備が充実していますので、必要な添加物ということにはならないのですね。


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Gテーマ食品 ”おせち”

昔は来客が多い正月でもさっと支度できるよう、少し豪華な縁起の良い料理を沢山作り置きして、七草ぐらいまで毎日毎食「おせち」を食べたものでしたが、今では「おせち」は元日の食卓程度という家庭も多いことでしょう。元日のためだけに数種類の「おせち」を作るのでは手間ばかりで大変ですね。そこで出来合いの「おせち」ということになりますが、皆がほぼ同時に購入するため、数ヶ月〜半年も前から生産を始めなければ間に合いません。そのため保存料、酸化防止剤、PH調整剤などの添加物がより多く使用されます。また普段より彩りが大きく優先され、着色料、漂白剤、退色防止剤の使用も増えます。「おせち」は日本の大切な食文化ですが、一年の始めから添加物漬けなのです。紅白なます、お煮しめ、お雑煮など、家庭で簡単に作れるものだけでも作り置きしましょう。あとは添加物の少ないものを選んで数種類用意すれば、気持ちよく一年がスタートできますね。

追加捕捉説明:
<作成中>


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Hテーマ食品 ”たらこ、明太子、イクラ”

タラコや明太子はスケトウダラの卵です。切り身で馴染みのある真ダラや銀ダラの卵ではありません。スケトウダラは身を食べるのには向かず、タラコが目的で捕獲されて、身は粘りを出すリン酸塩を添加して練製品の原料となります。本来タラコはくすんだ肌色ですが、皆に「タラコは赤いもの」というイメージがあるので、着色料や発色剤が使用されます。たとえ無着色でも毒性に不安のある発色剤が使用されているので要注意です。スーパーで無添加のタラコや明太子を見つけるのは難しいでしょう。イクラはサケの卵のスジコを粒状に加工したもので、昔は添加物と油で作った人造イクラも流通していましたが今では見かけません。もし熱湯に漬けても白く濁らなかったら、それは人造イクラです。怪しいと思ったらお試しを。数の子はニシンの卵でキャビアはチョウザメの卵ですが、各々キャペリンの卵、ランプフィッシュの卵で代用した製品もありフェイク食品と呼ばれます。

追加捕捉説明:
<作成中>


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Iテーマ食品 ”チョコレート”

チョコレートを作るには乳化剤が不可欠です。乳化剤のレシチンは安全な添加物ですが、チョコレートを使った菓子類となると添加物の種類も量も増えます。チョコレートには3つの分類があり、品名に「”純”チョコレート」と表示のあるものはカカオバター18%以上で他の油脂類を使わず、レシチン以外の乳化剤も使わない高品質なチョコレートです。「チョコレート」だけの表示のものはカカオバター18%以上だけど、他の油脂やレシチン以外の乳化剤も使用しているものです。そして読みは同じでも「 “準”チョコレート」はカカオバター3%以上で他の油脂を15%以上使用しているものとなります。輸入チョコレートの国際規格では、日本の純チョコレートと同様の規格で、さらにカカオバター31%以上のものを「クーベルチュール」と呼び、薫り高い最高級品であることを表します。近年ではカカオに含まれるポリフェノールの抗酸化作用も期待されていますね。

追加捕捉説明:
<作成中>


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Jテーマ食品 ”コンビニのおでん”

コンビニのおでんは”ばら売り”なので添加物を表示する義務はありません。「だしにこだわった」という宣伝文句でも化学調味料が使用され、主役のさつま揚げ、ちくわ、はんぺん等、練り製品には粘りやプリプリ感を増すためにリン酸類がよく使用されます。体内では血中のリンとカルシウムの濃度を一定に保つしくみがあります。リン酸類を多量に摂ると血中のリンが増え、カルシウムとのバランスが崩れます。そこで骨からカルシウムを溶け出させて調整することになり、骨が弱くなってしまうのです。リン酸類は魔法の添加物と呼ばれ、増粘、食味改良、PH調整、退色防止、抽出促進等を目的に、多種多様な食品に使用されます。練り製品の場合、既にリン酸類が入った魚肉すり身を原料として使うため、キャリーオーバーとなり製品には表示されません。強い毒性はありませんが骨を弱くしてしまうので、女性や成長期の子供は、リン酸類の摂取量を少なくしたいものです。

追加捕捉説明:
<作成中>


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Kテーマ食品 ”ガム”

加工食品には主原料があります。パンなら小麦、ハムなら豚肉が主原料です。それらを副原料とともに加工し、一般的には添加物を加えて製品となります。ガムの場合はガムベース(主に酢酸ビニル樹脂)が主原料で、これ自体が添加物なのです。ガムは添加物に味や香りをつけた食品で、砂糖以外は添加物だけでできていると言ってもよいでしょう。最近は砂糖の代わりに合成甘味料だけを使った製品もあり、こうなると添加物100%の食品になってしまいますね。キシリトールが虫歯予防に良いという話もありますが、そうだとしても成分単体でのことです。少しでも糖分があれば口の中で虫歯の元ができるため、一切糖分を含まない製品でないと意味はありません。甘味料の中には不安が残るアスパルテームや、腸の働きを阻害する物質もあります。毒性の強い添加物が使用されることはありませんが、添加物の摂取量を減らしたいと思うなら、ガムは食べない方がよいでしょう。

追加捕捉説明:
<作成中>


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