s-nobの熱帯魚

Top > 書籍紹介目次 >世界の水草728種図鑑

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基本情報

発行所 マリン企画
著者 吉野敏
初版発行年月日 2005年11月2日
所有刷数 2005年11月2日(初版)
値段 2552円+税
ページ数 239ページ
概要 主にアクアリウムの世界で使われる水草を中心に728種掲載している図鑑です。
またその中にはビオトープで使われる植物も含まれています。
各種類には写真、学名、分布、光・水質などの栽培条件(ビオトープで使われる植物には水質の代わりに耐寒性)、簡単な説明が付されています。
索引は和名、学名どちらからでも索けるようになっています。
また巻末には簡単ではありますが、用語集も付されています。
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良い点

写真

大き目で、綺麗な写真を多用しています。

名称

通称名の他に別名、和名、英名、中国名などもあれば記載されています。

索引

和名だけでなく学名からも索け、索引はしっかりしています。
また通称名だけでなく和名や別名などがあれば、そちらからも索けるようになっています。
例えばオオフサモ(和名)は「パロットフェザー」という別名もありますが、どちらも索引に載っています。

説明

各種の説明に水中葉の姿形だけでなく水上葉の説明もあるので、お店で購入する時、水上栽培を楽しむ時などに便利です。
またこのお蔭でフィールドなどで水草観察・採集する時にも役立ちそうです。

用語集

4ページと簡単な物ですが用語集が付いているので、この図鑑を読んでいる時以外にも重宝します。
その内容は図入りで葉の形状別による名称が載っていたり、「シノニム」のように植物以外にも関係する用語、「炭酸同化作用」のように植物固有の用語などの説明が載っています

悪い点

今の所「悪い点」は見当たりません。 ただ初心者から言わせて貰うと「もう少し栽培に関しての情報が欲しい」と欲が出ます。

とはいえこの本に書いてある以上の情報を知りたければ、こういった図鑑ではなく他をあたるべきなんでしょう。
それに中・上級者の方ならば、この本に記載されている内容だけで最低限の情報は伝わるのだと初心者ながらに思います。

これは完全にイチャモンの次元ですね。

総合評価

まず著者の吉野敏さんなんですが、私はこの方の水草本をこの図鑑以外で2冊読み、またアクア雑誌などで記事も多数読みました。
その感想として非常に強い信頼感を持っております。
この図鑑が吉野敏という人によって書かれた水草本であるというだけで、買う価値のある本ではないかとさえ思います。

また私はこの手の図鑑は一人の人が書いた物を愛用したいという気持ちがあります。 例えば「成長が早い」と表現しても、明らかに「早い」種類は問題ありませんが、微妙な種類に関しては人によって捉え方が変わるはずです。 そんな時に同じ人が説明を書いていれば説明にブレが生じにくいという利点があると思います。

ただこの本は良くも悪くも「図鑑」です。
ですから栽培やレイアウトのノウハウ本ではないので、そこまで期待するならこの本はお勧めできません。
しかし図鑑として、また栽培環境の目安を調べる本としてなら充分に満足のできる一冊だと思います。

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