【ヘンリー・ウエイド作品リスト】


[シリーズ探偵] ★プール警部(のちに首席警部) ☆ハーバート・ロット警部 ▲ヴァイン首席警部 
          △ジョン・ブラッグ巡査
          
◆倒叙物・半倒叙物 

[長篇]
1.The Verdict of You All (1926)
2.The Missing Partners (1928)
3.The Duke of York's Steps (1929)
4.The Dying Alderman (1930) 『議会に死体』 武藤崇恵訳 原書房
5.No Friendly Drop (1931/改訂版1932)
6.The Hanging Captain (1932)
7.Mist on the Saltings (1933) 『塩沢地の霧』 駒月雅子訳 国書刊行会
8.Constable, Guard Thyself! (1934) 『警察官よ汝を守れ』 鈴木絵美訳 国書刊行会
9.Heir Presumptive (1935) 『推定相続人』 岡照雄訳 国書刊行会
10.Bury Him Darkly (1936)
11.The High Sheriff (1937)
12.Released for Death (1938)
13.Lonely Magdalen (1940/改訂版1946)
14.New Graves at Great Norne (1947)
15.Diplomat's Folly (1951)
16.Be Kind to the Killer (1952)
17.Too Soon to Die (1953)
18. Gold Was Our Grave(1954)
19.A Dying Fall (1955) 『死への落下』 駒月雅子訳 現代教養文庫
20.The Litmore Snatch (1957) 『リトモア誘拐事件』 中村保男訳 創元推理文庫

[短篇集]
21. Policeman's Lot (1933)
22. Here Comes the Copper (1938)

[合作]
 The Floating Admiral (1931) 『漂う提督』 中村保男訳 ハヤカワ文庫 ※第3章担当

[その他の著作]
 A History of the Foot Guards to 1856 (1927) ※本名(ヘンリー・ランスロット・オーブリー=フレッ
    チャ−)名義

[邦訳短篇]
 Duello 「決闘」 葉田陽太郎訳 (新青年39新春増刊) *21所収
 The Missing Undergraduate 「大学生の失踪」 吉水吾郎訳 (新青年38秋増刊) *21所収
 The Three Keys 「三つの鍵」 吉田誠一訳(創元推理文庫 『探偵小説の世紀/下』)*21所収
 A Matter of Luck 「このユダヤ人を見よ」 妹尾韶夫訳 (宝石57-6) *21所収
 Smash and Grab 「ショーウィンドウ荒らし」 駒月雅子訳 (HMM2004-6)*22所収

 【参考文献】

森英俊 『世界ミステリ作家事典/本格派篇』 国書刊行会
加瀬義雄 「孤高の大家、ヘンリー・ウエイド」(『推定相続人』 解説 国書刊行会)


【ウエイド論】

植草甚一 「イギリス名門出のヴェテラン推理小説作家」(『クライム・クラブへようこそ』 晶文社) ※東京創元社〈クライム・クラブ〉シリーズに収録された 『リトモア少年誘拐』 の解説。のちに創元推理文庫版にも再録された。1958年に刊行された同訳書は、ウエイドの長篇初紹介でもあった。『リトモア』 は当時の最新作。結局これが遺作となったが、まだ 「現役」 の作家だったのである。この時点で、植草は他に 『推定相続人』 しか読んでいない。最晩年の作品がウエイド初紹介に選ばれたことに対する不満は勿論理解できるが、そのころの日本で、戦前イギリスの本を入手することの困難を勘案する必要があるだろう。
加瀬義雄 「孤高の大家、ヘンリー・ウエイド」(『推定相続人』 解説 国書刊行会) ※全作品を視野に入れた初めてのウエイド論。この作家の特色として (1) 警察活動のリアリズム、(2) 社会性、(3) 倒叙形式の導入、をあげている。警察の捜査や組織内部のリアルな描写ではクロフツ以上の手腕を発揮し、20〜30年代にすでに社会性のからむ背景や動機を持った事件を扱って、現代ミステリをはるかに先取りした作家として評価。また中・後期の倒叙・半倒叙形式によって、ウエイドは作風の行き詰まりを打破しようとし、一定の成果をおさめた。ただし、氏はウエイドの本領はやはり前期の捜査活動を丹念に描いた警察小説にある、としている。また、ウエイドの全作品に共通する 「崇高なまでに美しくも気高いLoyaltyの精神」 に、この作家にしかない魅力を感じる、という。

 

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