【マイクル・イネス作品リスト】


[シリーズ探偵] ★ジョン・アプルビイ警部(のちに警視総監) ☆チャールズ・ハニーバス教授 
 ◆キャドーヴァー警部 ◇ボビー・アプルビイ ▲ヒルデバート・ブロンコフ

[長篇]
1.Death at the President's Lodging [米題 Seven Suspects] (1936) 『学長の死』 木々高
    太郎訳 東京創元社
絶版
2.Hamlet, Revenge! (1937) 『ハムレット復讐せよ』 滝口達也訳 国書刊行会 
3.Lament for a Maker (1938) 『ある詩人への挽歌』 桐藤ゆき子訳 現代教養文庫 絶版
4.Stop Press [米題 The Spider Strikes] (1939) 『ストップ・プレス』 富塚由美訳 国書刊行
    会

5.There Came Both Mist and Snow [米題 A Comedy of Terrors] (1940) 『霧と雪』 白須清
    美訳 原書房

6.The Secret Vanguard (1940)
7.Appleby on Ararat (1941) 『アララテのアプルビイ』 今本渉訳 河出書房新社
8.The Daffodil Affair (1942)
9.The Weight of the Evidence (1943)『証拠は語る』 今井直訳 長崎出版
10.Appleby's End (1945)『アプルビイズ・エンド』 鬼頭玲子訳 論創社
11.From London Far [米題 The Unsuspected Chasm] (1946)
12.What Happened at Hazelwood (1946)
13.A Night of Errors (1947)
14.The Journeying Boy [米題 The Case of the Journeying Boy] (1949)
15.Operation Pax [米題 The Paper Thunderbolt] (1951)
16. A Private View [米題 One-Man Show/米改題 Murder Is an Art] (1952)
17.Christmas at Candleshoe [改題 Candleshoe] (1953)
18.The Man from the Sea [米改題 Death by Moonlight] (1955) 『海から来た男』 吉田健
     一訳 筑摩書房
絶版
19. Old Hall, New Hall [米題 A Question of Queens] (1956)
20. Appleby Plays Chicken [米題 Death on a Quiet Day] (1956)
21. The Long Farewell (1958)
22. Hare Sitting Up (1959)
23. The New Sonia Wayward [米題 The Case of Sonia Wayward] (1960) 『ソニア・ウェイワードの帰還』 福森典子訳 論創社
24. Silence Observed (1961)
25. A Connoisseur's Case [米題 The Crabtree Affair] (1962)
26. Money from Home (1964)
27. The Bloody Wood (1966)
28. A Change of Heir (1966)
29. Appleby at Allington [米題 Death by Water] (1968)
30. A Family Affair [米題 Picture of Guilt] (1969)
31. Death at the Chase (1970)★◇
32. An Awkward Lie (1971)
33. The Open House (1972)
34. Appleby's Answer (1973)
35. Appleby's Other Story (1974)
36. The Mysterious Commission (1974)
37. The Gay Phoenix (1976)
38. Honeybath's Haven (1977)
39. The Ampersand Papers (1978)
40. Going It Alone (1980)
41. Lord Mullion's Secret (1981)
42. Sheiks and Adders (1982)
43. Appleby and Honeybath (1983)★☆
44. Carson's Conspiracy (1984)
45. Appleby and the Ospreys (1986)

[短篇集]
46. The Three Tales of Hamlet (1950) ※Rayer Heppenstallとの共著。「ハムレット異聞」を収録。
47. Appleby Talking [米題 Dead Man's Shoes] (1954)
48. Appleby Talks Again (1956)
49. The Appleby File (1975)
50. アプルビイの事件簿 (1979) 大久保康雄訳 創元推理文庫※日本オリジナル編集
    Dead Man's Shoes 「死者の靴」 ※47所収
    Tragedy of a Handkerchief 「ハンカチーフの悲劇」 ※47所収
    A Matter of Goblins 「悪鬼の所業」 ※48所収
    Was He Morton? 「本物のモートン」 ※48所収
    The Ribbon 「テープの謎」 ※48所収
    The Heritage Portrait 「ヘリテージ卿の肖像画」 ※48所収
    The Lombard Books 「ロンバード卿の蔵書」 ※48所収
    The Mouse-Trap 「罠」 ※48所収
    The Ascham [別題 The End of the End] 「終わりの終わり」 ※49所収
51. アップルビィ警部の事件簿 (1996) 森一訳 勉誠社 ※47から6篇を抄録
    Appleby's First Case 「アップルビィ最初の事件」/「アプルビイ警部最初の事件」 深町眞
      理子訳 (創元推理文庫 『ミニ・ミステリ傑作選』 所収)
※47所収
    The Furies 「復讐の女神島」 ※47所収
    The Cave of Belarius 「ビレアリスの洞窟」/ベラリアスの洞窟」 池央耿訳 (光文社文庫
      『クイーンの定員W』 所収)
※47所収
    The Sands of Thyme 「タイムの砂浜」 ※47所収
    William the Conqueror 「ウィリアム征服王」 ※47所収
    The Lion and the Unicorn 「獅子と一角獣」 ※47所収

[その他の邦訳短篇]
 Pokerwork 「ポーカー・フェイス」 志摩隆訳 (別冊宝石123号)※47所収
 The Scattergood Emeralds [別題 True or False?] 「エメラルド」 大久保康雄訳 (HMM56-7
    /早川書房 『復刻エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジンNo. 1-3』)

 Lesson in Anatomy 「解剖学教程」 野村一郎訳 (EQMM56-10)※47所収
 Grey's Ghost 「影の影」 深井淳訳 (EQMM56-12)※48所収
 The Mysterious Affair at Elsinore 「ハムレット異聞」 三枝研二訳 (EQMM64-3) ※46所収
 Death in the Sun 「日光浴と死と」 吉田誠一訳 (HMM66-7)※49所収
 A Question of Confidence 「信頼の問題」 森愼一訳 (HMM81-10)※49所収
 The Four Seasons [別題The Magic Painting] 「四季」 山本やよい訳(HMM85-1)※48所収
 News Out of Persia [別題 The Author Changes His Style]ペルシアからのニュース」 山
    本俊子訳 (HMM95-3)

 A Very Odd Case [別題 A Very Oddly Case Indeed] 「とても変わったケース」 山本俊子訳
    (HMM96-12)
※48所収
 Murder on the 7.16 「七時十六分の殺人」 高橋知子訳 (HMM2006-6) ※48所収
 Pelly and Cullis 「ペリーとカリス」 池央耿訳 (講談社文庫 『13の判決』 所収)
 A Derby Horse 「ダービー出走馬の消失」 小原美恵子訳 (ハヤカワ文庫 『敗者ばかりの日』
     所収)

[邦訳エッセイ]
 Death as a Game 「ゲームとしての死」 大井良純訳 (HMM75-7)

[J・I・M・スチュアート名義の著作]
[普通小説]
52. Mark Lambert's Supper (1954)
53. The Guardians (1955)
54. A Use of Riches (1957)
55. The Man Who Won the Pools (1961)
56. The Last Tresilians (1963)
57. An Ace of Grass (1965)
58. The Aylwins (1966)
59. Vanderlyn's Kingdom (1967)
60. Avery's Mission (1971)
61. A Palace of Art (1972)
62. Mungo's Dream (1973)
63. The Gaudy (1974)
64. Young Pattuloo (1975)
65. A Memorial Service (1976)
66. The Madonna of the Astrolabe (1977)
67. Full Term (1978)
68. Andrew and Tobias (1980)
69. A Villa in France (1982)
70. An Open Prison (1984)
71. The Naylors (1985)
[短篇集]
72. The Man Who Wrote Detective Stories and Other Stories (1959)
73. Cucumber Sandwiches and Other Stories (1969)
74. Our England Is a Garden and Other Stories (1979)
75. The Bridge at Arta and Other Stories (1981)
76. My Aunt Christina and Other Stories (1983)
77. Parlour 4 and Other Stories (1986)
[その他の著作]
78. Educating the Emotions (1944)
79. Character and Motive in Shakespeare (1949)
80. James Joyce (1957/改訂1960)
81. Thomas Love Peacock (1963)
82. Eight Modern Writers (1963)
83. Rudyard Kipling (1966)
84. Joseph Conrad (1968)
85. Thomas Hardy: A Critical Biography (1971)
86. Shakespeare's Lofty Scene (1971)
87. Myself and Michael Innes: A Memoir (1987) ※自伝

【参考文献】

森英俊 『世界ミステリ作家事典/本格派篇』 国書刊行会
『ハムレット復讐せよ』 (国書刊行会) 巻末著作リスト
Twentieth−Century Crime&Mystery Writers 3rd edition (St.James Press)


【イネス論】

George L. Scheper, Michael Innes (1985, New York, Ungar) ※評伝
久坂恭 「謎解きの王国5/ジュリアン・シモンズとマイケル・イネス」(東京創元社 『創元推理8』 掲載)
※94年に亡くなったイネスの追悼をかねて、その作風を未訳作を多数あげながらあらためて検証。イネスほどわが国で誤解されてきた作家も珍しいという筆者は、イネスの作品の最大の特徴はユーモアにあると断言。『ストップ・プレス』 『アララット山のアプルビイ』 『アプルビイズ・エンド』 などの人を食ったファースこそ、イネスの本領発揮の作品とみる。さらに大人の童話的な冒険小説、初期に顕著な本格物、皮肉な味わいの犯罪小説など、従来の評価ではとらえきれない多彩な顔を紹介している。
小池滋 「J・I・M・ステュアートのプロフィル」(国書刊行会 『ハムレット復讐せよ』 月報) ※あまり語られることのない本業の英文学教授としての業績と、本名スチュアート名義の普通小説を紹介。
谷口年史 『ハムレット復讐せよ』 解説 (国書刊行会)※『ハムレット復讐せよ』 が書かれた時代背景と、本書以後のアプルビイの事件簿を、ファミリーの紹介をからめて概観。
戸川安宣 「アプルビイと生みの親イネス」 (創元推理文庫 『アプルビイの事件簿』 解説)
※イネスの略歴と探偵アプルビイのプロフィールを中心に紹介。
宮脇孝雄 『書斎の旅人』 早川書房
※「大学のファンタジー」「変人の系譜」の章。『学長宅の死』 『ある詩人のための挽歌』 を中心に、ファルス派としてのイネスに注目、その作品を 「知性と教養に裏打ちされたスラップスティック小説」 と評する。ファルス派の特徴として、被害者はおおむね変人、事件を契機に騒動がもちあがる、殺人の動機は奇想天外なものが多い、探偵の活躍で秩序はさらにかき乱される、などをあげ、30年代の英国では奇人変人の登場するミステリが多数出現したと指摘。その背後に蔓延する社会的不安をみる。
若島正 「マイクル・イネス――英国ミステリ界最後のドン」 (世界探偵小説全集月報〈知られざる巨匠たち3〉) ※『ストップ・プレス』 『アプルビイとハニーバス』など、アプルビイ物を中心に未訳長篇を紹介。「イネスが難解だという評判はすっかり忘れてもらったほうがいい」 という提言も。
若島正 「アマゾンのアプルビイ」 (みすず書房 『乱視読者の帰還』 所収)※ファルス系の代表作の1つ 『ダフォディル事件』 の紹介。ジャンルをはみ出す奇想小説として注目。

若島正 「探偵小説を書いた男」 (国書刊行会 『ストップ・プレス』 解説)※本名のJ・I・M・スチュアート名義の自伝『マイクル・イネスと私』、中篇小説 『探偵小説を書いた男』 を手がかりに、英文学者・小説家スチュアートにとって 「探偵作家マイクル・イネス」 とは何だったのか、について考える。イネス作品に漂う幸福感についての考察も示唆に富む。


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