鎌田からの手紙。
(※水色は「登場人物/用語集」を参照)
第1話「おっす、オラ・・・」 (2006.3.5〜7.6掲載)
あれはまだ肌寒い季節の事だった。
自分の部屋でいつものようにホットコーラを飲んでいると、 ふとこんな事を思った。
「なぜ私はわざわざコーラをホットにしたんだろうか・・・。」
今日はこれからアイツと会う約束の日だ。
そいつの名は「ココ」。
もちろん隣に住んでいる幼馴染みの娘・・・定番だ。
「フフフフフフ、ハハハハハハッ!!見ておれよ!今日こそは決着をつけてやる!」(独り言)
さーて、ホットコーラで体力もつけたしそろそろ行くか。
待ち合わせ場所はいつもの喫茶店。
モチロン名前は「anan」。
よく学校をサボッてはここでホットコーラを飲んだっけ。
時間もある事だし、ananに行く前に寄り道でもするかと思い、いつもと違う道を歩いた。
「さ〜て、どこ行くかなぁ〜?」
と悩んでいると、背後に何者かの気配を感じた。
「せ、戦闘力18000・・・!?」
私は振り返ってみた。そして、
「き、貴様はキュウイ!何をしに来た!?」
な〜んてね、うっそで〜す♪ じゃーなくて、
「カカロット・・・!?なぜ・・・?」
そして奴は笑顔でこう言った。
「おっす、オラ・・・クリリン!」
クリリン!?嘘だろ!?
そこは、ごくうじゃーないのか!?
そんな自我ツッコミは置いといて・・・忘れていた、私には用事があったんだ!
背後にいる奴を背にして、目的のアノ場所へと再び歩き出したのであった。
そして数分後、ananに到着。
店自体は地下にあるので地上からは見えない。
と、いう訳で地下に降り、店に入った。
「まだアイツが来るまで時間があるか・・・。」
と、携帯で時間を確認すると予定の時間よりまだ30分前だ。
「すいません、マスター。いつものお願いします。」
「かしこまりました。」
私は常連なのでマスターもオーダーが早い。
そーいえばこの店にはメニューというモノがあったな。
しばらくすると、ウエイトレスさんがいつものを持ってきてくれた。
「・・・うむ、いつ見てもイイ色だ。」
私はここに来ると一年中ラムネを頼むのだ。
やはりラムネはビー玉付きに限る。
さらに容器が瓶でないと風情が無い。
まぁ、この雰囲気で飲むモノではないかもしれんが・・・。
瓶からビー玉を取るのに苦戦していると、背後から誰かが「だ〜れだ?」と手で目隠しをしてきた。
もちろん奴に私はこう答えてやった。
「桜花だろう?」
確か決め台詞は「貴様、それでも軍人かー!」 だったはずである。
「ぶー、ちがうよー!」
と、素直にツッこんでくれるいつもの彼女がいた。
「おっ、いつものヒヨコのコスプレじゃないんだ?」
「あれはみんなで大会をやるまでお披露目無しだって言ったじゃない。もう忘れたの?・・・ピヨピヨ♪」
(速攻でやってんじゃん・・・)
そんな彼女は置いといて、今日はココに話さなければいけない話があるんだ。
「ココ、話があるんだ。」
「なあに?もしかして、アメンボ3級の少ちゃんの歌を教えて欲しいの?」
(駄目だ、話が全く進まない・・・)
「ココ、真剣に話を聞いてくれ。」
「お顔が恐いよ、いつもと違う。」
「・・・ココ、別れよう・・・」
後ろから流れるBGM「おれたちゃクロダコブラザーズ」の効果もあって、かなり切ない気持ちになった。
こんな辛い事を言わなければならないとは・・・。
そしてココからの一言、
「えっ、ココたち付き合ってたの?」
その言葉に私はショックを受けた。
そして次のBGM「女学生の決意」が胸に染みた。
どーやら我々は付き合ってなかったらしい。
それならばも〜まんたぁーい(無問題)!
さて、これでここに居る理由が無くなった。
どーするか?
「遊びに行こうにも金が無いし・・・」
そんな事を考えているとココが急に話を始めた。
「・・・・・・ココの事好き?」
ちょうどその時だった。
古ぼけたスピーカーから流れ出した懐かしの一曲。
「好っきっとっか〜嫌いと〜か〜最初に言い出したのは〜」
マサに私はときメモ状態であった。
「・・・・・・好きだよ。」
それが後悔の言葉だと知ったのは、ずっと先の事であった・・・。
(完)
寒い冬が終わり、季節は暖かい春。
やっと冬眠から醒めた私は眠気覚ましのコーヒーを飲みながらノホホンとしていた。
これから色々と騒がしくなるとは知らずに・・・。
あれからココとは会っていない。
隣に住んでるけど私から避けてるのが現実だ。
「この春からココも高校生かぁ・・・。」
そっか、もうそんなにおっきくなったんだ。
気まずい気もするけれど、彼女の事を考えるとちょっとドキドキするな。
そんな事を考えていた私はココが入学したという高校の前に来ていた。
久し振りに顔を見ようと待っていると、どこからか何者かの気配を感じた。
「せ、戦闘力530000・・・!!!???」
その瞬間、スカウターが破損した。
こんな膨大な戦闘力はフリーザしか浮かんでこないのだが。
おそるおそる後ろを覗くと・・・誰もいなかった。
「・・・?気のせいか・・・」
時すでに遅し、後ろを向いたのが不覚だった。
「ダーリン!もう逃がさないっちゃ!」
その時、私は若本規夫声の怪物の大胸筋に挟まれてしまったのだ、あぁ・・・。
「声は渋くていいんだけどなぁ〜」
と、馬鹿げたのを最後に意識が途絶えた。
そう、謎の人物の大胸筋の狭間で・・・。
気付いたら私は病院のベッドの上に横たわっていた。
「ここはどこだ!?」
そしてアノ声は確かにどこかで聞いた事のある人物の声だと思った。
「さぁ座薬の時間ですよ〜」
私が意識を覚ますと中川翔子似の看護婦が迫ってくる・・・。
どうしよう・・・体が動かない。
「体が動かないんですよね〜。今脱がしますから♪」
マ、マズイ・・・アレを見られてしまうのか!?
それから5分後。
うはっ!脱がされたヨ!(赤面)
「みなさん聞いて下さい・・・私ヘコたれへん!!」
と、心の中で思いつつ、なんとか乗り切ろうとしたのだがまた再び山場が訪れた。
ああ、この世に神は居ないのか・・・。
結局、私は座薬の刑に処された(涙)
「でも、あの看護婦さんカワイかったな♪」
体の痛みを思い出したのはそれからしばらくしてからであった・・・。
「もうお婿に行けない!(泣)」
これが(屈辱の)座薬の刑が終わった直後の私の第一声だった。
しかし、なんでこんな事になったんだろう・・・。
あれから3日後。
謎の病気と判断されて座薬の刑に処された私は退院した。
「そうだ、ココの顔を見に行かないと。」
ココといえばココイチ!
「まずは腹ごしらえにゃん♪」
自動ドアをくぐった向こうから声が聞こえる。
店員かな?
「ぷっぷくぷー、ぷっぷくぷー♪」
そこにはバイトで働いてるココがいた。
・・・い、いや、気のせいだ。
「やっぱり今の〜・・・無し!!」
と、奇面組の零ちゃん風に決めてみた。
「ふう、これでもう大丈夫。ココはいないはずだ。」
何事も無かったかのように店内で昼ご飯を食べてると、突然私の携帯が鳴り出した。
「誰からだろう?」
携帯の液晶を見るとそこには「師匠」の文字が。
一体私にどんな用件があるのだろう?
「はい、もしもし?」
「ジーク、ジオン!」
・・・電話切れたよ。
すると立て続けに着信音が。
今度は誰だろう?(ドキドキ)
「はい、もしもし?」
「オッス!おら、ラ・・・」
・・・また電話切れたよ。
さらに今度はメールが。
総帥から?
何の用だ、あのロリヲタめ。
「沙希たんハァハァ」
そうか、キミキスかと思ったら良雄くん1か。
メールの内容よりそっちの方が気になった。
しかしなんなんだ、今日は?
さっきから変な電話&メールしか来ない。
と、思ってたらまた電話が鳴った。
「誰?」
「八神と申しますけど・・・、娘が・・・娘が・・・あぁっ!!」
「ココのお母さんですよね。どうしたんですか?」
「・・・・・・娘が倒れました」
「えっ!それは本当ですか!?」
ココが倒れた事が信じられず、つい語尾を上げてしまった。
まさかティーフブラウに掛かったのではないだろうな・・・?
その話を聞いた私は急いで教えてもらった病院に駆けつけた。
「・・・間違えた」
どう見てもここはディズニーランドだ。
「あ、総帥が黒いねずみに化けてょうじょを狙っている!」
総帥は黒いというより、クドいねずみだな。
あまり見たくないシーンを見てしまった。
「フッ、所詮現実なんてそんなモンだよね」
と、独り言を言っていた私に更に嫌な光景が見えた!
「なぜオマエがここに・・・?」
10mくらい先に黄色いマスクを被った男が立っていた。
「彼の名は確か・・・!?」
思い出そうとするとノイズがかかった状態になり脳が働かない。
そんな事よりココを探さないと!
気が付いたら私は並んでいた。
そう、お目当てのスプラッシュマウンテンだ。
「いまだ!スプラッシュマウンテン!!」
いきなり謎の女にマットに叩き付けられた。
私の命は風前の灯だ・・・。
気が付いたら私はまた病院のベッドの上に横たわっていた。
「あの女は誰だったんだ!?」
あの時、私の後ろにダイナマイト関西が並んでいたという事実を知る事は永遠に無かった・・・。
(完)
第3話「続きまして・・・」 (2006.10.8〜2007.1.2掲載)
目を開けると白い天井が見えた。
(ここは何処だ・・・?)
いや、天井だけではなかった。
ありとあらゆる空間が真っ白なのだ。
(コレは夢・・・?)
正直、夢だか現実だかまだ理解ができない。
状況がよく理解できなくて困っているその時、部屋のドアがノックされた。
(誰だ?)
と意識の中で考えていると、部屋の中に3人の姿が現れた。
(おまえらは・・・たしか!?)
「ガイア・マッシュ・オルテガ!(しかも女)」
何故、貴様らがここに!?
「ま、まさか!貴様らあの(一部で)名高いグロい3連星か!?」
・・・感激だ。
まさか生で見れる日が来るとは!!
その時、グロい3連星が口を開いた。
「貴様がココ様の・・・!」
そして私の額に銃を突きつけたのであった。
引き金が惹かれる瞬間、私は奴らの一人を蹴って跳躍した!
「な、なにぃ〜?俺を踏み台にしただと〜!!」
そして私はうまく着地して奴らにこう言ってやった。
「俺の体臭は火薬の匂い!」
そう、私は元ガンマンなのだ。
ガ「ガンダム・・・」
マ「あの連邦の白い悪魔か・・・」
オ「ひぃぃぃ!」
どうやら連中は怯んでいるようだ。
しかし、こいつら見かけがとんでもないなぁ・・・。
グロい3連星は攻撃を仕掛けてきた!!
「喰らえっ!三段腹トライアングル〜〜〜!!」
合計九段の腹が私を襲う!!
「美しくない・・・」
どうやら生理的に受け付けないようだ。
腹が立ってきたので私はこの行動を開始した。
複雑に絡む12の『印』を解く。
そう・・・長年封印していた究極奥義!
「くらえっ!マシンガンキャスト!!!」
ガ「助けて〜!」
マ「あの幻の技をナゼこいつが・・・」
オ「ひぃぃぃ!」
勝負は一瞬でついた。
この技の前では何もできまい・・・。
「そのまま死ね!」
(き、決まったぁ〜♪渋いっ!渋すぎる!!)
「貴様も道連れだ!!」
ガイアの三段腹が私の顔面にせまる!!!
「ふっ・・・私にはこの技がある!」
私は迫り来るガイアの三段腹をかわすため、奥義を繰り出した!
「くらえ!電撃鬼合わせっ!!!」
技が決まったと思った瞬間、急に目の前が真っ暗になり、私は意識を失った。
その時、数々の技を授けてくれたアノ人の言葉を思い出した。
「ライプリヒ製薬には気をつけろ!」
・・・・・・ライプリヒ製薬。
私にとって忌々しい名前だ。
表向きは外国のごく普通な製薬会社だが実は裏ではかなり汚い事をやっている。
例えば・・・多摩川沿いに落ちている空き缶をみんなで拾ったり、月に1回は社員全員で献血したり・・・。
素晴らしい会社ではないか!
???
なんか記憶がごっちゃ混ぜになっている。
奥義を使った反動かもしれない。
早く現実に戻らなければ・・・。
どのくらい時間が経ったのだろうか。
見覚えがある。
・・・ココの部屋?
ふと意識が目覚めた私の目の前に知ってる人物の顔が現れた。
見ると師匠がアウェーで試合をしている。
何故?
しかも私の秘蔵のコレクション「爆乳搾乳紀」を見ながら!
なぜ師匠がココの部屋に・・・!?
ココとの関係が気になり、私は試合中の師匠に聞いてみた。
「何で私のマイコレがここにあるのかね?」
すると、なにやら小声で
「エイショ、エイショ、エイショ〜」
と、いう声が聞こえ、その後に
「空気読め!エイショ〜・・・」
と、いうコメントを頂いた。
話掛けるなという事か。
師匠の試合の邪魔をするつもりもないので、ココの部屋の窓からすぐ隣にある私の部屋の窓に飛び移った。
「最近よく意識を失うなぁ・・・もう寝よう。」
ウトウトとしていると懐かしいあの声が聞こえる・・・。
これは夢か現か。
その声が気になり、そっと耳を傾けると、
「ヘイ、ゴング!」
???
何か試合でも始まるのか!?
しかし、なぜこのタイミングでナチグロンが出てくるんだ?
さすがは夢だ・・・都合がいい。
「起きてよ〜、朝だよ」
(ん?誰かが私を起こしてるのか?)
「早くしないと大会が始まるよぅ〜」
そう、日頃師匠と一緒に鍛えた試合の成果を今見せるとき!
いつのまにか謎の会場に辿り着いていた。
周りを見渡すとそうそうたる顔ぶれだ。
「!!!アイツは確か・・・!?」
(完)
第4話「お米券進呈・・・」 (2007.1.9〜2007.3.28掲載)
「あの・・・これ・・・」
彼女が差し出したのは一枚のお米券であった。
「分かった・・・これで最後にするよ。」
そう言って私は彼女の手からお米券を受け取った。
もうこれで何枚貰ったのであろうか。
気になったので今まで貰ったのを全て数えてみた。
「ひ〜ふ〜み〜よ〜、と。」
「一枚たりな〜〜〜い」
誰だお前は?!!!
「わたしは〜お米券の妖精で〜す〜」
奴を無視して私は1枚足りないお米券を想い出した。
そういえば無職の時に1枚だけ使ったなぁ。
でもまた来月から無職だ。
やっぱりもう一枚もらっておこう。
そして私は彼女にこう言った。
「君(のお米券)が欲しい」
「ポッ!(は・あ・と)」
ナゼそーなる?
次の瞬間、後ろから凄い衝撃がきた。
「のぉおおおぉおぉおおおー!!な、何だ!?」
後ろを振り返ると、胸に「通天閣」のTシャツを着た人物が!
「貴様か!私の知り合いに手を出そうという輩は!!」
「ち、違います!ただ食費が無くなったからお米券を。」
「このニートめっ!!」
凄まじい形相でその人物が懐から取り出したものとは?
何やら小さい機械のようだ。
「これでなぁ〜水平とか垂直とか正確に測れるんだぞ!」
と言って、私に向かってその機械から赤いレーザービームを発射した!
「ジュ〜!!」
赤い閃光が包み込む!
その時私の体に変化がっ!!!
「・・・?いったい何が起きたんだ???」
自分の体をよく見てみると、何やら胸の辺りに膨らみが!
さらにアソコにあったモノが無くなっており、私は呆然とした。
そこで、女性になったら一度言いたかった言葉を私は言ってみた。
「いや〜ん、まいっちんぐ!!!」
スカートを履いてないのが残念だが、言えて本望だ。
「き、貴様は女だったのか!?」
奴は自分でビームを打っておいて効果は知らなかったらしい。
「そう!この通り!!」
「め、目がぁぁぁぁ!!」」
「あ、ぱんつ履くの忘れた。」
どうやら私の履いていたズボンはビームを浴びた時に消えてしまったらしい、パンツごと。
「しょうがない、何か履くか・・・」
とりあえずこの褌をきゅっきゅっ!
「フォォォォォォォォ!!!」
「こ、これは私のおいなりさん!!!」
そうか、奴は私のおいなりさんを見て・・・。
「それならばこっちも脱いでくれるわー!」
ナゼ奴も脱ぐ!?
どういう対抗心(?)だかは知らないが、奴もいそいそと服を脱ぎ始めた。
そして遂に最後の一枚(ご想像にお任せ)に手を掛けた!!
「ギュイィィィィン」
最後の一枚を剥ぎ取った瞬間、奴の股間から怪光線が!!!!!!!!!!!!
「め、目がーーーーーーーーー!!!!!!」
しばらくしてとっさに閉じた目を開いてみると、なんと!0.1だった視力が1.2まで回復してるではないか!
気が付くと奴はいなかった。
おそらくアレが最後の攻撃だったのであろう。
「そうだ、お米券をくれたアノ娘にお礼を言わないと。」
彼女を探してみると・・・あ、いた。
「ウホッ!や ら な い か?」
彼女もあの怪光線を浴びて男化していた。
俺の貞操の大ピンチ!!
「さぁ、カモンヌッ!!ナァニ天井のシミを数えテル間に終らせてあげるサ・・・ククク」
てゆーかお前、もうそこまで行くと何かクリーチャー化してるぞ。
「痛ッ!」
女になった私の体に今まで味わった事の無い痛みが走った。
「でも・・・気持ちイイかも。」
気持ちいいかもしんないけど、気分的には負けた様な気がして非常に嫌なもんだ。
マズい!
このままでは私の負けに等しい結果になってしまう。
こうなったら奴を呼ぼう。
試合巧者のあいつを!
「フハハハハハハハッッッッッッ!!!!!」
近くの電柱の上に誰かが立っている。
確認したくない・・・。
「我こそはガンミラの達人!住所は赤坂見附!」
き、聞きたくない・・・。
「毎週土曜は朝7時半に僕と握手!」
朝七時半だと?
早過ぎだろう!
と、思っていると続けてこんな台詞が聞こえてきた。
「ガンミラスターシリーズ!!」
だから聞きたくないってば・・・。
「まずは異次元のガン見ワーク!この私っ!!」
名乗らないのか?
そしてその男は電柱から飛び降り、さらにこう続けた。
「今日も試合してるかい?」
はっ!?
意味がわからない・・・。
そして奴は、
「残像拳!残像拳!!残像拳っ!!!」
私には何の事だか全く分からないが、奴の手の揺れが速い!
「くらえー!!シャイニングフィングァァァァァー!!!!」
な、なんだアノ技は!?
手が青く光っている!?
なんだか知らないがコイツは凄いぞ!!
でも、なんか嫌だ。
光りながら奴が何かをつぶやいている!?
「ハァハァハァ」
コ、コレわ!?
すかさずスカウターで奴の戦闘力を測ってみると、
「1500000・・・1300000・・・1100000・・・900000・・・」
急激に落ちているとはどーゆー事だ!?
奴の足元を見ると何かが転がっている。
卵???
まさか奴はナメック星人なのか!?
そして奴は私の目の前から姿を消した。
足元を見るとさっき見つけたかなり大きな卵が落ちている。
「ん?卵が中から割れようとしているのか?」
ピキッ!
パリッ!
バリン!!
「何だ、アレは?」
卵が真っ二つに割れて中から何かが飛び出した!
だがしかし、あまりの動きの速さにその何かを確認できなかった。
そして私は死んだ。
ノドを掻っ切られて・・・。
(完)
最終話「Still Love Her...」 (2007.4.3〜2007.12.25掲載)
私は誰?
確かにあの時、私は死んだのだ。
いや、違うはずだ。
なんか首を切られた感触がはっきりと憶えてはいるが・・・。
しかし、自分が誰であるかが全く思い出せない。
困ったモンだ。
手元には何かの証明になるかもしれないDVDが一枚。
「アンミラ三昧?」
とりあえず観てみよう。
私はすぐさまそのDVDを再生してみた。
「な、何なんだ!?このDVDはっ!」
何かどっかの店の映像が流れてきたぞ。
見かけはファミレス風なのだが店頭に謎の看板があるな。
「俺、出没注意?」
何ですかこれ??
さっきから映像がいやにローアングルなのが気になるのだが・・・。
こ、これは!!
ハァハァ!!
こいつは・・・噂のゴールデントライアングル!
それは聖闘士星矢だ。
バミューダトライアングル!
それはマカロニほうれん荘だ。
なんて言うんだっけ?
「こいつは・・・噂のゴールデントライアングル!(デルタ地帯)」
ん?
画面の中の奴も同じ事を言ってるぞ!?
よく分からんがもう少し先を見てみよう。
しかし、画像と音声が良くない為に何を言っているのかは分からない。
合い間合い間に聞こえる
「ハァ、ハァ」
とか、
「ウェヘヘヘヘヘヘ」
とかが非常に嫌だな。
最後まで観る勇気も気力も無いんでDVDを止めた。
そんな事より今日はこれから用事があるんだっけ。
今日は3月6日。
これから日本武道館に全日本プロレスを観に行くのだ。
それから1時間後。
少し遅れて日本武道館に到着した。
「もう試合が始まってるか。」
なにやら音楽が聞こえてきたぞ!
こ、これは!?
まさか、サンライズか!?
「ウイィィィィィィッィィィィィィィ!!!!!!!!!」
あのお方は夢にまで見たスタン・ハンセン!!!
マジ感動だ。
ん?
次の曲が聞こえてきたぞ。
これはまさか移民の歌か!?
いや、しかし移民の歌といえばあの伝説の超獣ブルーザー・ブロディのはず・・・。
私は一体いつの時代に居るのだろう?
い、いや、そんな事はどーでもいい!
一緒に叫ぶぞ!!
「ウォォォォォォォォーーーーーーーー!!!!!!」
まさかアノ最強タッグが生で観れるなんて!
おっ?
対戦相手が入場してしてきたぞ!?
「ドーモーン!!まだわからんのかァ!?」
「師匠ー!!」
まさかあの二人は・・・?
2000万パワーズ!!
そうか、今はタッグ選手権が行われているのか。
第1試合から凄い組み合わせだな!
「お?何だアレは?」
瞬きする間も無く、あの2人の技が炸裂する!!
「超級覇王電影弾!!!!!!!!!!!!!!!!」
せまる師匠の顔面!!
いきなりその技か!
あっちを見てみると、ハンセンとブロディが何かやっているぞ!?
「おーい、ハンセン!水深は?」
「あいよ!・・・3.0です〜。」
2人ともリング外に消えてったよ・・・。
今度は馬場と猪木が出て来たぞ!
BI砲か!!
あれ??
よく見ると猪木の方は随分小柄だな???
どう見ても春一番!!
結局、試合はハンセン&ブロディ組のリングアウト負けか。
ところで馬場と猪木はいったい何だったんだ!?
お、どうやら次の試合が始まるぞ!
気が付いたら私は寝てしまっていたようだ。
リングに目をやるとこれから決勝戦が始まるらしい。
優勝候補「マシンガンズ」vs謎の「360゜モンキーズ」!?
駄目だ!
「マシンガンと言えば、進藤とダンディさんだろ!!」
と、考える自分が居る。
・・・違うだろ!
確かマシンガンズの2人は名前を明かさない事で有名だ。
昔からそれぞれ「夏」「冬」と名乗っている。
「春」「秋」もいるのだろうか・・・!?
「続きまして、360゜モンキーズ'の入場です!」
ん?
どーやら謎の対戦相手が出て来たようだ。
誰だろう??
「ビェ〜、ビェ〜、ビェ、ビェ、ビェッ!!」
なんだかよく分からない2人組だな。
一人はバットを持っていて、もう一人は眼鏡キャラか。
きっと強力なタッグ技を持ってるのだろう。
でもなんでこの二人はジャージなんだろう?
一人はその辺のコンビニで売ってそーなビニールバット持ってるし・・・。
あ、マシンガンズが歌い始めた!
というか早口言葉みたいだな。
しかもリング上でCDを手売りしてるよ!
「ゆひっ!」
両チームとも何だかよく分からんが、とにかく凄い自信だなぁ。
「イエス!アマゾネス!!」
どこかから大量の動物と女子の大群がやって来たぞ!!
「うわっ!何だ!?」
動物と女子の大群が私に向かって襲ってきた!
そして私は意識を失った・・・。
ココはどこだ?
ナニィ!!
アンミラ高輪店!?(ハァハァ)
ふと周りを見渡してみると、私の目の前に師匠がいる。
なにやら女の子店員を目で追いかけているようだ。
私の事など気にせずにな。
どうやらデルタ地帯を発見したようだ。
そして奴は奇妙な動きを見せ始めた!!
テーブルから下は見えないが体が小刻みに震えてるようにみえるが・・・。
「ちょっとトイレ行って来る。」
トイレに何をしに行くのか分からないが、去り際の満面の笑みはやめてくれ。
バタン!!
どーやらトイレに入ったようだ。
気分転換にコーヒーを飲もうとしたら、地震でもないのになぜかカップが小刻みに揺れている。
ナンだ???
しばらくすると揺れが収まり、と同時に師匠がトイレから出てきた。
「そういえばトイレの中にこんなモノがあったぞ。」
師匠の手に握られているのは・・・手紙だった。
学生時代にたまに見た便箋の中にその手紙は入っていた。
なぜかその便箋にハートマークのシールが貼ってあった。
無性に腹が立つぞ!
だが今は手紙の中身を確認する方が先だ。
とりあえず読んでみよう。
どれどれ・・・?
「スカ」(デレデデ〜:効果音)
くっ!!
問題が書いてある紙を取りにダッシュだ!!
急いでトイレに駆け込み、他の客に取られる前に次の手紙を見てみた。
なになに・・・?
「ここから南に8km西に2km行った所で今から3時間後に鎌田という女が殺される。
その前にその女を探して助けろ」
・・・なんの話だこれは!?
しかし本当なら洒落にならないので、この手紙の指示に従って行動する事にした。
私はその手紙に記された場所付近にタクシーですぐさま駆けつけた。
辺りを見回すと見覚えがある。
「ここは・・・鎌田駅か?」
「鎌田駅で鎌田という女性が殺されるなんて面白いな・・・」
と、絶対ネタだろうと思っていると何やら向こうで人だかりができている。
もちろん私は野次馬根性で人だかりの中をかき分けて入ってみた。
「どうしたんですか?」
と、近くにいる人に尋ねてみると
「すぐそこのJOYで学生同士のケンカがあったらしいぞ。」
なんだ、大した事じゃあ無いなぁ。
ゲーセンでの喧嘩ならそうだろうと思いシカトした。
しかし群集のとある一言で私は完全に足止めを食らうのであった。
「ここからではよく見えないが、なかなかの美人が争っているみたいだよ。」
!?
私は急いでその女性を確認した。
見た事は無いがこの人が鎌田さんなのか!?
時間はまだある。
もしこの人が鎌田さんなら、この場所から遠ざければ事件は未遂に終わるはずだ。
よし、聞いてみよう!
「あのぅ・・・鎌田さんですか?」
「はい!?誰ですか?」
「あ、間違えました・・・。失礼しました。」
「鎌田って奴はわたしの目の前にいるケンカ相手!(怒)」
私は振り返り、すぐさまもう一人の相手を見た。
そして、
「あなたが鎌田さん?」
「はぁ?あんた誰!?」
「えっと、ちょっとあなたに用があって・・・え?」
私は目を疑った!
この女性、どこかで見覚えがある!!!
・・・そうだ!
アノ時の看護婦!!
確か第2話で脱がされ、座薬の刑にされたアイツだ!
そんなメタな話はともかく、なんでアイツがココに!?
!!!
そうだ、想い出したぞ!
ココの友達に「鎌田」という奴がいたっけ・・・。
しかも東邦医大で働いてるとか言ってたな・・・。
間違いない、コイツだ!!!
私は鎌田さんの腕を取り、
「理由は後で言うからココから逃げて!」
「なんで!?私はいまこの女とケンカしてるの!」
「とにかく!」
そう言って私は鎌田さんを連れてJOYを後にした。
「いったい何よ!?」
と、鎌田さんに散々文句を言われながらとりあえず適当な店に入った。
その店とはもちろん喫茶店ananである。
ここは面倒事や、説教する時には最適な場所なのである。
まぁ、別に説教するつもりはないのだが。
どうして喧嘩していたか?など、触れなければいけない事は満載なのだが、これだけは確認しておかなければ。
「一つ聞きたい。あなたは本当に看護婦か?」
「いきなり喧嘩してる最中に無理やり連れ出して聞く事がそれ!?
まぁ、いいわ。そうよ、間違いなく職業は看護婦よ。」
フッ、フッ、フッ、ついに見つけた!
ならば、私はこの台詞をあなたに投げようではないか!!
「何も言わずに私と結婚してくれ!!」
私は鎌田さんの小さな手をギュッと握り締めてそう言った。
「・・・・・・うん、イイよ。」
なに!?
マジかよ!?
「ホントに私でイイのか?」
「だって初めて私の手を握ってくれた人なんですもの・・・。」
そうか、鎌田さんはまだ未体験な方なのであるな。
そして私は看護婦が大好きだから全くもって不満なんぞあるわけが無い!
その時、店の中で異様な殺気を感じた!
(これは・・・ココの気だ)
店内を見渡してもどこにもココがいない・・・。
(なぜココの気を感じるのだ!?)
(まさか!?)
目の前を見るとさっきまで鎌田さんがいたはずなのに、なぜかそこにはココの姿が・・・!
「ココっ!!」
「ココは逢いたかったんだよ。それなのに第1話に出てから消されたし・・・。」
だからそんなメタな話はやめてくれ!
「違うんだ、ココ!」
「ううん、もういいの。」
「私はココの事がずっと・・・」
「ココはね、これから人を殺すんだ。」
「・・・?」
「あと1時間後にJOYで一人の女が死ぬの。」
「・・・っ!!!」
「ココがその人を殺すんだけどネ。」
「やめろ!なんでそんな事をするんだ!!」
「だってそうしないと結婚しちゃうでしょ?」
「ま、まさか・・・鎌田さんをか!」
私はananを飛び出して左へ曲がり、角をまた左へ曲がって
そのまま道なりにモアイのシルク前を通り過ぎ、
薬局の前の横断歩道を渡って「つけ麺大王」に入って
本日の定食(野菜炒め定食)を食べてから急いでJOYの中に入った。
(しまった、あと20分しか無い!)
狭い店内を見渡してもどこにも鎌田さんはいない。
(どこにいるんだ?)
これからJOYに来るとなると待つしかないか・・・。
いや、そうなると間違い無く鎌田さんはココに殺される!
どうすればいいのか・・・。
するとananで突然消えた鎌田さんから電話が!
「もしもし?」
「さっきトイレに行ってたんだけど、いつのまにかいなくなってたから。」
「ゴメン、ちょっとタバコを買いに行ってたんだ。」
「で、今どこにいるの?」
「あぁ、今JOYにいるよ」
「分かった、すぐに行くから待っててネ!」
ツーツー・・・・・・。
まずい!
このままだと鎌田さんはここに来て予告時刻を迎えてしまう!
どうすれば・・・。
と、その時だった!
何者かが私を持ち上げてこう言った。
「死ぬがよい。」
その時見た光景は・・・・・・
鎌田さんが私を持ち上げている・・・・・・
ココは・・・・・・
私を助けようとして・・・・・・
鎌田さんに向けて銃を撃つが・・・・・・
私がアノ技を食らうほうが一瞬早く・・・・・・
ココは・・・・・・
ココは・・・・・・
私のほうをみつめて涙した・・・・・・
最後に聴いた言葉を胸に刻んで私は頭から血を流して、もうこの世に還ってくる事は無かったのであった・・・・・・。
そう・・・
スプラッシュマウンテンをくらって・・・・・・。
ごめん、ココ・・・・・・。
<バッドエンドB 完>